出版社内容情報
大きな背中に小さな友達を乗せて、年老いたクジラは南の島へ…。旅の途中の「二人」が交わした約束のゆくえを描く、壮大な友情物語。涼しげな色彩と潮の香りに包まれた、感動の長編絵本。
内容説明
「クジラさんのねがいをかなえてあげるよ」ちいさな飛行グモは、やくそくしました。旅と冒険と友情の長編絵本。
著者等紹介
山下明生[ヤマシタハルオ]
1937年、東京に生まれる。瀬戸内海の能美島で少年時代を過ごす。『うみのしろうま』(理論社/野間児童文芸推奨作品)『カモメの家』(理論社/日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞)『はんぶんちょうだい』(小学館/小学館文学賞)『まつげの海のひこうせん』(偕成社/絵本にっぽん大賞)『わたしのクジラくん』(佼成出版社)など、作品多数
しまだしほ[シマダシホ]
1967年、東京に生まれる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
43
くじらとクモの約束でした。くじらはクモがもう死んでいるから約束なんて出来るはずがないと思っていたのですが・・・。意外な結末でした。いいお話です。2015/01/25
こなつ
11
くじらと蜘蛛の海のやくそく。海での2人の生活が優しく、心が温まる。とても暑い日に、海の様子の絵を見て、とっても気持ち良かった。蜘蛛が子孫に残したこと、本当にくじらとのやくそくを守ったなあと嬉しくなった。素敵な絵本。2016/08/10
けんちゃん
11
図書館で。クジラといえば夏の海をイメージしますが、これは冬が近い秋のおはなし。しかもお相手は小さなクモ。年老いたクジラとクモが南への長旅を共にしながらかわした約束。普通に考えればナンセンスな約束が忘れられずに紡がれていく美しさに思わず涙が出ました。しまだ・しほさんのイラストは初めてでしたが、シンプルは水彩のタッチがお話によく合っていました。2011/08/02
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
長く独りでいたおじいさんクジラ、そのおでこに小さな飛行蜘蛛が降り立ちます。新天地を求めて旅してきた飛行蜘蛛を乗せて、南の島に向かうクジラ。かけがえのない友だちになり、やがて別れの日、蜘蛛はクジラとある約束をします…。2020/02/11
遠い日
8
年老いたクジラと若いクモの約束。果たされた約束の美しさに、息を呑む。群れずにひとりで生きたクジラの胸に温かな灯を灯した約束の堅さが、読み手の心まで柔らかく解していく。しまだ・しほさんの透明感のある絵もすばらしく、心に残るファンタジー。2016/09/05