感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪うさぎ
35
雲の上から降りてくる美しい音色。天の笛とは春を告げるひばりの鳴き声。生き物にとって冬を越すことは、命懸けのことなのだ。みんなのために太陽のカケラを取りにいくひばりの姿。天に向かって必死になって羽根を打ち振り、命果てていく姿が余りにも小さく感じられ、儚く切ない。最後のページのために、この本はある。そこにはひばりが命を懸けて運んできた春が満ち溢れていた。しかし、一番待ち望んだはずのひばりの姿がないことがとても寂しい。もし今、目の前にひばりの亡骸があるなら両手でそっと握りしめ、手厚く葬ってやりたい。2015/09/06
いろ
20
春の田に声を聴くと必ず姿を見つけるまで探したくなる雲雀。ちょうど「モチモチの木」「ソメコとオニ」などで親しんだ斉藤隆介さんのお話だったので手に取ったが,絵が藤城清治さんとは☆ 母(私)いきなりテンションあがるw 9歳男児も「スゴイね!どうやって描いたのかな?」ぼかしに顔を近づけじっくり見ている。異例の長雪で生き物達の命が…雲雀が我が身を打ち捨てて太陽のかけらを取りに行くお話。空高く行き太陽に焼かれるところは,イカロスを思い起こしたけど,こちらは「皆のために」と自己犠牲。雲雀の一途な思いに胸が熱くなる。2017/04/05
ochatomo
15
「ベロ出しチョンマ」からの絵本化は滝平二郎さんが有名だが、これは藤城清治さんの絵 『ピイチピイチピチピチリートルリートル…』 1978刊2019/10/17
紅花
15
昔話らしいお話。声だけで姿が見えない雲雀の悲しいお話。2016/11/15
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
10
3年生ブックトーク授業 国語科単元『モチモチの木』からの多読。斎藤隆介さん・滝平二郎さんのコンビ作品の紹介。滝平二郎さん以外の斎藤作品。絵は藤城清治さん。大地を雪で覆われた鳥たちを助けるため、太陽の欠片をとりにいくひばり。やがて大地に春がやってくる。ひばり(雲雀)の勇気を讃えたい。 この本から藤城清治さんの絵を見る機会があるといいですね。2018/11/16