内容説明
なぜ悪いことをしてはいけないのか?家族の解体、市場の自己矛盾、国家の溶解―時代の危機における倫理的な問いの背景と、歴史学たる倫理学の「無力さ」を暴きだす。
目次
1 倫理と倫理学のあいだ
2 現実と仮想のあいだ
3 バーチャルなものとしての倫理的実体
4 近代社会の危機
5 「なぜ~してはいけないのか」という問い
6 倫理の危機?倫理学の無力?
著者等紹介
石川伊織[イシカワイオリ]
1956年、東京都生まれ。東京都立大学人文学部文学科ドイツ文学専攻卒業、法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位取得満期退学。現在、県立新潟女子短期大学国際教養学科助教授。専攻は哲学・倫理学。芸術と倫理を仮想と現実という観点から分析している
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感想・レビュー
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【★★★☆☆】「倫理的実体」は、神・イデアといった彼岸にある絶対的他者ではなく、且つ<私>の格律の観念的延長でもなく、身体をもった他者と交わりあいながら形成するバーチャルな社会的構成物である。「倫理学・倫理的な問い」は「倫理的実体」の秘密を暴き自覚を迫るもので、無自覚であったはずの旧来の倫理を疑う危機の時代にこそ顕在化する。家族・社会・国家、自然法と社会契約説、対国家の「戦争」からの変容、殺してはいけない「人=身内」と敵(国家の外に出すと戦争)etc. 徹底せず散漫なきらいはあるが、個々の話は結構面白い。2013/05/07
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