内容説明
江戸吉原の妓楼・柳うら屋で、最高位の遊女白椿が死んだ。その日から、霧野・玉舟・糸香の三人の座敷持ちが奇妙な「モノ」を目撃するようになる。業突く張りの楼主夫婦、ひどい折檻をする遣り手婆、白椿を畏れながら崇めた見世の者、奇妙な客たち…曲者ぞろいの廓の中で、しだいに明かされていく真相と人々の心の闇―そこに巣喰うはもののけか、狂気か。著者渾身のデビュー作。
著者等紹介
篠原景[シノハラケイ]
1980年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程(日本史)修了。オフィス・マツナガのウェブサイト「ニュースソース」にて、短編時代小説を連載。『柳うら屋奇々怪々譚』で書籍デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マサキ@灯れ松明の火
9
【イマヨン】江戸吉原の柳うら屋…ある嵐の夜、最高位の遊女「白椿」が殺害された。その夜から、霧野・玉舟・糸香の3人の座敷持ちの遊女達に不可思議な力が宿った。柳うら屋の中では、毎夜、奇々怪々な障りが…殺された「白椿」の祟りか…?それとも…人の心に宿りし闇か…?3人の遊女達が、たどり着く、真実とは?2013/07/31
sena
4
妓楼、柳うら屋で遊女白椿が死んだ。それから起こる不思議の数々。霧野、玉舟、糸香の三人の遊女にも不思議な力が宿り。不思議な出来事にも、人は次第に慣れていく。淡々とすすむ物語に、遊女や客や妓楼の主たちの心の奥に潜むものが浮き彫りにされていく。デビュー作ということですが、もっと他の作品も読んでみたくなりました2013/10/11
まめの助
3
★★★☆☆妓楼で起こる怪異を遊女の視点で描いたお話。怪異の元を辿るミステリーが主軸だけど、不思議な力を得てしまった遊女三人の気風と掛け合いのよさに惹かれた。2019/11/17
伶夜
2
霧野、糸香、玉舟の掛け合いが小気味いい。2017/02/08
Norikko
1
図書館でジャケ借り、当たりでした。ホラーは苦手なのだけれど、事へ至る顛末や吉原の内側の人間模様が丁寧に描かれていたことで、恐怖感がほんの少しベールで包まれた様に思う。それでも、人形5体の話は超怖かった・・・2015/01/11