広済堂文庫
八犬傳〈上〉 (改訂版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 446p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784331614037
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

世界伝奇小説の烽火、デュマの『三銃士』に先立つこと3年。28年の歳月をかけて完成された滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』。物語は、長禄二年足利八代将軍義政のころ、安房国の城主里見義実の娘、伏姫が犬の八房の子を身籠り生んだ八つの奇妙な珠の話で始まる。後にそれらの珠を持つ八人の犬士が出現。この八犬士が縦横無尽に活躍する「虚の世界」と作者、馬琴の日常生活を鋭く抉った「実の世界」が交互に描かれる、山田風太郎の傑作長篇。

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県生まれ。東京医科大学卒業。47年、「宝石」新人募集に応募した「達磨峠の事件」がデビュー作。48年「眼中の悪魔」で第2回探偵作家クラブ賞短編賞を受賞。その後「甲賀忍法帖」を始めとした忍法帖シリーズなどを精力的に発表した。2000年、日本ミステリー文学大賞受賞。01年7月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

35
南総里見八犬伝を、オリジナルのリメイクに、作者たる滝沢馬琴と腐れ縁の葛飾北斎を登場させて、創作物と創作者のフィクションとメタな世界を織り込ませる(馬琴と北斎の会話もフィクションなんだが)。八犬伝は未読なため、どこまでオリジナルか判別し難いが、次から次の展開に純粋に「読ませる」代物。仁義礼智忠信孝悌の八文字の浮かぶ数珠玉をそれぞれ宿した男たちの因縁もよく覚えておらず、カドカワ映画を見たのも今は昔。ほぼまっさらな頭には、上巻はかなり面白い。が、名前が犬だらけなので判別がつきにくい。2024/02/03

あおでん@やさどく管理人

31
読書会でいただいた本。「南総里見八犬伝」は、名前と作者、それと「文字の書かれた八つの珠が出てくる」くらいの知識しかなかったので、物語の中身に触れられて楽しい。馬琴はこの作品を完成させるのに28年かかったというが、それだけかかると、書く方も読む方も自分の人生と照らし合わせることになりそう。2018/09/09

ヨーイチ

25
長い間探してたのをブックオフでGET。廣済堂文庫なんて、とても探せん。とても読みやすく八犬伝がまとめられている。風太郎先生に感謝。小説中とは言え、江戸時代より前の武蔵の国が舞台だったんですねえ。出版当時は関東人に馴染みの地名が舞台になっていたわけか。これは発見でした。実の巻については下巻読了時ということで。色々読みどころのある著作という感じですなあ。2011/12/29

ken_sakura

14
とても楽しい♪( ´▽`)滝沢馬琴が葛飾北斎に南総里見八犬伝の構想を語る「虚の章」、語られた物語のアレやコレや、互いの近況や世間話をする「実の章」が交互になっている章立て。オシャレ(^o^)/下巻へ。2015/12/12

bluemint

13
天守閣の決闘は名場面だ。青い空、入道雲を背景に銀色の瓦の上での戦い。かと思うと一転し、馬琴と北斎の仲がいいんだか悪いんだかわからない実世界の話になる。たいした描写もないのに、貧乏長屋の本に埋もれた馬琴の部屋が浮かび上がる。愛すべき人たちが命を落とすが、馬琴は「勧善懲悪の物語を描いている。一世代だけの話ではない」と輪廻転生を示唆する。2018/08/07

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