内容説明
亡父の残した借財のことで、公事宿・巴屋を頼ってきた錺職人の弥七が、交渉相手であるもぐりの公事師、梅次殺しの科で捕縛された。事件の真相を探ろうと、巴屋の出入吟味人・日暮左近は、弥七が持っていた手控帖に書かれていた、目黒白金村生まれの五人の女の中から、観音像の彫られた手鏡を持つ者を探し始めるが、その裏には幕閣をも巻き込んだ、醜い争いが隠されていた…。夢想流の憤怒の刃が闇を裂く!好評シリーズ第三弾。
著者等紹介
藤井邦夫[フジイクニオ]
1946年北海道旭川生まれ。テレビドラマ「特捜最前線」で脚本家に。以後、刑事ドラマ、時代劇を中心に400本以上の作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だいしょう@SR推進委員会
1
記憶をなくしたまま過去に忍びであったことを知った男。関わってきた事件で、主人公は本能のおもむくままに刃を閃かし、その能力を振るう。わずかな手がかりで女を捜す中で、知り合う女たちの境遇をうまく書きながら、伏線をはり、ストーリーを進めていく手腕はさすがベテランである。3作目になると若干重なる表現もあるのが惜しいが、他の作品の登場人物とのリンクが楽しく、にやりとしてしまった。最後、故郷に戻った主人公と恋人だった女忍びのこれからが気になる。4作目、すぐに読んでしまおうか。2011/08/24