内容説明
上州・渋川村での生活の貧困と苦しさに耐えかねて家を飛び出し、江戸へ出た百姓・茂平。気が荒くて乱暴者だが、曲がったことは嫌いな男だった。生きていくためにやった盗みと喧嘩がきっかけで、両国を縄張りにする侠客一家に身を寄せた。茂平の一本気で純朴な性格を見抜いた一家の長・長兵衛は、旧知の剣客の許へ茂平を内弟子として預けた。破天荒な生活から一変し、厳しい剣の修行を重ねる茂平に、思いを寄せる百姓娘と剣客の孫娘。やがて茂平は、心・技・体ともに成長して武家の養子となり、ついには百姓の気持ちが分かる侍となる。江戸情緒あふれる書下ろし長篇時代小説。
著者等紹介
笠岡治次[カサオカハルジ]
愛知県生まれ。大学卒業後、歴史関連の編集者を続けながら、時代漫画、映像作品のシナリオ、演劇脚本などを執筆。「ミッドウェイ陥落セリ」(コスミックインターナショナル)で作家デビューを飾る
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蕭白
5
主人公のまっすぐな気性が心地よく感じられます。2017/03/18
M2
2
1年ちょっとで剣の才能を開花とかいろいろ都合良く行き過ぎる感もあったけれど、その分さくさくとテンポ良く読めて楽しかった。茂平がこれからどう成長していくか楽しみ。長兵衛一家、とくに矢吉兄貴と長兵衛親分が格好良くて素敵。一家の面々には次巻以降もぜひ登場してもらいたいけど、茂平が同心になったら住む世界が違ってしまって難しいかな。ところでカバーのあらすじによると琴乃さんにも思いを寄せられていたとのことだけど、ひょっとして琴乃さんのあの台詞は本気だったの?2016/01/06
Darbytime
1
百姓立志伝な話。志立ててるというより流されてるけど。個性的な内容で面白いけどポンポン進みすぎた感がある。2013/11/09
イエッチ
1
百姓が嫌で江戸に出奔。ケチな盗みを働いたり侠客一家の使い走りをしたりしながらもついには侍になる主人公。 脇役の人たちも個性的でどの話も面白く読める。 良いシリーズだ。2013/09/23
すぴか
1
なにこれ面白い!キャラクターの魅力が溢れていてとても楽しかったです!一冊かけてプロローグといったところみたいなので、これからどう進んでいくのか楽しみ2013/02/22