内容説明
鳥羽伏見の戦いで徳川幕府は倒れ、薩長土肥による明治維新がなった。西郷隆盛は江戸城を無血開城し、それにつづく彰義隊の潰滅と、新政府は着々と体制を築いていった。だが、奥羽地方では、賊軍とされた会津、庄内両藩を中心に奥羽越列藩同盟が成立して新政府に抗戦した。館林藩は官軍の一翼にあったが、羽州分領の漆山陣屋が列藩同盟に組み込まれ藩が敵味方に分かれる悲劇となった。そこへ江戸藩邸から謹慎を命じられ、勝沼精之允がやってきた。維新の荒波に忘れさられた男のあざやかな生き様を彫りおこす。直木賞作家の力作長編歴史小説。
著者等紹介
高橋義夫[タカハシヨシオ]
1945年、千葉県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、雑誌編集に携わりつつ、創作活動を始める。1992年「狼奉行」で直木賞受賞。人間の綾なすさまざまな様相を、淡々とした筆致で描き、歴史小説に新たな地平を拓く
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