内容説明
紀州藩当主徳川治宝の世子として一橋家から婿入した十一代将軍家斉の三男斉順。その側近が麹町で何者かに惨殺された。報せを受けた斉順の祖父一橋治済は事件の裏に紀州徳川家の不穏な動きを察し、島津家中で一橋家預かりの隠密河野征四郎に探索の密命を下した。現場に遺された目黒不動の富札を手掛かりに事件を探る征四郎は、紀州藩に次期当主を巡る内訌があることを知り、その首謀者を炙り出すべく動き出す。だがその背後では、斉順暗殺を狙う敵の魔手が麹町の紀州藩上屋敷に迫っていた…。
著者等紹介
宮城賢秀[ミヤギケンシュウ]
昭和21年4月中華民国台湾省高雄市生まれ。神原中学校(沖縄県那覇市)卒業後、十余種の職に就き、現在、文筆業。日本文芸家クラブ理事
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