内容説明
明治維新前夜、久留米藩領内の庄屋の子として生まれた古屋佐久左衛門と高松凌雲の兄弟。ともに医者を志して国元を出奔する。兄は旗本の養子となって英国兵学を学んで江戸末期の幕政をささえ、弟は緒方洪庵、ヘボンらに師事して一橋家の表医師として活躍。すでに政権の帰趨は討幕派に傾いていたが、倒れようとする幕府を支えずにはいられない意地と義侠心は理にもとずかない行動を兄弟に求めた。榎本武揚らとともに箱館・五稜郭で最後の戦いを挑む兄弟。動乱の幕末・維新期を生きた兄弟の軌跡を描く長篇力作歴史小説。
著者等紹介
高橋義夫[タカハシヨシオ]
1945年、千葉県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、雑誌編集に携わりつつ、創作活動を始める。1992年『狼奉行』で直木賞受賞。人間の綾なすさまざまな様相を、淡々とした筆致で描き、歴史小説に新たな地平を拓く
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