内容説明
大手都市銀行・中ノ島銀行を定年退職した行司正道は、戦前・戦中・戦後の激動期を誠実に生き抜いた亡父の一代記を綴っていた。日本経済は深刻なデフレに陥り、企業倒産と失業者が急増、自殺者が三万人を超えた。行司は友人の深田三郎から、日本が苦境にあるのはアメリカの陰謀によるものであり、「金融再生プログラム」を推進する大臣・畑中伴蔵こそがアメリカのエージェントで日本を金融植民地にしている元凶だと聞かされ、驚愕する。
著者等紹介
渡辺一雄[ワタナベカズオ]
1928年、京都生まれ。大阪商科大学(現大阪市立大学)卒業後、大丸百貨店に入社。76年にデパートの内幕を描いた「野望の椅子」でデビューし、日本作家クラブ賞を受賞。2年後、「出社に及ばず」を発表したのち、部長→課長→主任という降格人事を経験し、80年に退社する。その後、永年のサラリーマン生活の経験を生かし、「復讐の椅子」「会社潰し」他を著す
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