内容説明
チベット王家に古代から伝わった黄金の冠、黄金の剣、黄金の錫杖。この三つの秘宝を手にした者は、世界を統べること可なり。といわれ、世界制覇の野望に燃えるヒトラーは、冠と剣をすでに手中にしていた。そして古代文書の解読で黄金の錫杖がダライ・ラマの所有であるのを知り、ヒトラーはひそかに奪取を命じた。謀報部員竜造寺大介は、大戦前夜のインドで反英工作のあと、幼少のダライ・ラマ十四世をかかえ列強の思惑で貴族たちが対立するチベットへ。そこで竜造寺は、ドイツ学術探検隊の不審な行動を目撃する。構想十年、史実を基に描く冒険小説。
著者等紹介
檜山良昭[ヒヤマヨシアキ]
昭和18年、茨城県生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、京都大学大学院に進む。専攻はドイツ経済史。『スターリン暗殺計画』で日本推理作家協会賞を受賞。以後、軍事、国際情報小説、歴史推理、シミュレーション・ノベルなど幅広い読者層を開拓する
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感想・レビュー
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ヨコケイ
1
日本の特務機関工作員が主人公。三十八年、ドイツがチベットに探検隊を送った話を元に、オカルティックな動機から宝物を奪取せんとするナチ、同行した独考古学者、スパイする英考古学者らの視点を交え進行。インディジョーンズ風伝奇活劇の結構だが、あに図らんやのんびりしたタルイ冒険&『ムー』ネタ。そこはそれとして中国関係の記述が薄い気が…チベットが物凄い未開の地的な描写だが実際どうだったんやろ…詳しくないので判らん…ブラピでも観るか…あと現地からすれば「いや、お前ら全員出てってくれよ」かしら…。2021/09/24