内容説明
柳生の里にこもっていた十兵衛が突然死した。病か尾張柳生の毒を使った謀殺か?将軍家光の御前での上覧試合で連也斎に勝ち、江戸柳生こそ新陰流の正統であり天下一の剣であることを示さねばならぬ宗冬。しかし、勝てる相手ではない。その日までに連也斎を闇に葬るより他に方法はない。長年の江戸柳生との確執に決着をつけたい連也斎。江戸柳生の存亡を賭け、闇の集団裏柳生の総力を結集して連也斎に挑む。
感想・レビュー
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えみ
54
柳生宗矩大好き江戸柳生贔屓な私としては、この展開と結末に納得できないところもあるけれど…総じてやはり剣客ものは面白い。江戸柳生と尾張柳生。対立する二つの柳生から迸る殺気。例え命のやり取りをする敵だったとしても、強き剣の前では驚愕し尊敬の念を抱く素直さ。小説だからそうなるのか、時代がそうさせるのか、理由はどうであれ命以上のものを賭けた真剣勝負はわくわくする。柳生十兵衛の衝撃の死から始まる死闘は、江戸柳生配下の裏柳生に尾張柳生の配下である御土居下衆を巧みに使い、やがて江戸VS尾張の直接対決へ!連也、最強すぎ。2022/03/28