内容説明
書院番から累進して伊勢山田奉行となった大岡忠相。山田と紀州領松阪の争論をさばくにあたり、従前の奉行のように御三家・紀州の権勢を恐れることなく、松阪方を非と断決し、その公正な態度がかえって紀州藩主徳川吉宗に認められた。吉宗の将軍就任直後に江戸南町奉行にあげられ、越前守と称する。吉宗の信任あつく、町奉行としては下情によく通じ、名裁判官とたたえられた裁判説話を七人の円熟作家が描く。
感想・レビュー
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estis
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「間の山心中」佐江衆一 「くじら裁き」杉本苑子 「白子屋騒動」村上元三 「殺された天一坊」浜尾四郎 「投げ火の伝兵衛」長谷川伸 「殺人蔵」山田風太郎 「天守閣の音」国枝史郎 解説 縄田一男 「殺された天一坊」が最もおもしろかった。他よりも頭一つ抜きん出ている。 大岡越前と題しているが、必ずしも大岡越前が主人公というわけではなく、むしろ少ない。2014/08/18
小心
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7人の作家による短編が収録されている。鮮やかな大岡裁きを期待して読むと「あれ?」と思うかも。江戸時代のくじら漁の様子が興味深い「くじら裁き(杉本苑子)」、名裁きのアンチテーゼと言える「投げ火の伝兵衛(長谷川伸)」が良かった。2014/05/01
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