内容説明
大学生の妹が一通の手紙を残して消えた。姉の静子は妹の失踪に「ピープ」という怪しげな店がからんでいることをつきとめるが、その店を捜す折に、何者かの巧妙な罠に陥り、製氷工場へと運ばれて全裸のまま閉じ込められてしまう。そこで静子は、水槽の中で氷漬けにされた妹の全裸死体を見つけて驚愕の思いに捉えられる。自分も妹と同じ運命を辿るのか。表題作ほか幻想と官能を融合させた異色作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
23
短編7本。斎藤センセも時々エロ系を描かはるけど、個人的には似合ってないような気がする。巻末の解説によれば「一乱歩賞作家として義務であり権利でもある」との考えから、乱歩センセのエロ妖しい系作品に挑戦したはるらしい。解説者は表題作と「赤い地下劇場」を乱歩っぽいと評してたけど、うちの推しは「内弟子異聞」かな。半陰陽の女性棋士を内弟子として迎えた八段。彼女が来たことで家の中は微妙な空気が漂い始め、ついには、庭にチンピラの遺体を埋めたことで警察の厄介に…。が、殺人は否認する彼女。犯人は誰なのか?事の真相はいかに??2023/01/29