内容説明
弱小事務機販売会社の営業部員である駒井啓介は、ある日、大企業のR商事からかなりの注文を受け、続いて破格の待遇でスカウトされた。その日から駒井は、高級マンション、美女、ブランド品と、あらゆる栄燿栄華を味わうが、やがてR商事は駒井に不気味な要請をしてきた…。サラリーマンを襲う悪夢を描いた表題作ほか5篇を収録した異色サスペンス。
感想・レビュー
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dzuka
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題名作「都市の仮面」をはじめ「静かなる市民」、「村人」、「生命取立人」、「旧約以前」、「おまへたちの終末」の6本の短編からなるSFサスペンス集。 最初の2作は、日本の隠された格差社会を誇張して暴き立てるかのごとく特権階級の暴走をSFに仕立てて描いている。東日本大震災後の対応、COVID19への対応を見ていると著者の慧眼に感服してしまう。 「生命取立人」は、余命を数値化して、それをやりとりする方法のユニークさが秀逸。 「おまへたちの終末」は、世代間ギャップを扱ったものだが、全く古さを感じさせない。2021/05/03




