出版社内容情報
「大化の改新の真相がわかれば古代史の謎解きはほぼ終わる」――そう言い切る著者は通説に異を唱え、
数々の問題作を世に問うてきた。では、通説、そして数ある諸説はどういうもので、どこに慧眼や見落としが
あるのか。「日本書紀は嘘をついた」と言い切る根拠とは? 人気歴史作家が日本史最大の謎を再検証する!
内容説明
この真相がわかった時、古代史の謎解きはほぼ終わる!諸説を再検証し、日本史最大の嘘と矛盾に再び挑む!
目次
第1章 大化改新は日本の大転換点だった?(ヤマトの王は権力者だろうか;巨大な前方後円墳は強大な王をイメージさせる ほか)
第2章 大化改新を探る(日本の律令は天皇に権力を与えなかった?;大化改新に至る経過 ほか)
第3章 どうすれば改革者を大悪人に仕立て上げられるのか(なぜ改革派蘇我本宗家は滅ぼされたのか;大化改新で統治システムは劇的に変わっていない? ほか)
第4章 中大兄皇子はなぜ蘇我入鹿を殺したのか(なぜ「中大兄皇子見直し論」はないのか;中大兄皇子が孝徳朝で働いたのは「皇太子奏請文」だけ? ほか)
第5章 百済王子「中臣鎌足」という黒幕(なぜ中臣鎌足は中大兄皇子を選んだのか;嫌われていた春日風鹿島の神 ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
歴史作家。1959年千葉県柏市生まれ。1991年にデビュー作『聖徳太子は蘇我入鹿である』を発表以来、古代をテーマに意欲的な執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はちこう
7
なんと中臣鎌足は〇〇だった。ちょっと眉唾的な内容なのだが、それらしい証拠も書かれていて、もしかしたらその可能性も否定できないように思えた。本書は、我々が知る「乙巳の変」、「大化の改新」を分かり易く書いた後に、著者の研究をベースに新説を展開している。どちらを信じるかは読み手次第ということか。いずれにしても、勝者が書いた歴史書を疑ってかかることは必要だろう。このあと「白村江の戦い」、「壬申の乱」と続編もあるようなので、機会があれば読んでみたい。2022/02/28
そろけん
5
大化の改新は古代史の大転換であったとする日本書紀に記された歴史観はでっち上げだと言う。中臣鎌足は実は百済王(豊璋)で、反百済派の蘇我氏を律令整備という大義名分の元に滅ぼした説。とんでも説かと思いきや筆者が真面目に研究した内容をもとに書かれているので説得力はある。確かに日本書紀の編纂時の最高権力者は藤原不比等ということを考えると父、鎌足が首謀した乙巳の変は改革と言う名の下で正当化せざるを得なかったという考察は間違いではなさそうだ。信じる信じないは自分次第だが、学校で教えられた歴史は全て事実では無い事は事実だ2022/12/10