出版社内容情報
女好きでカネにだらしなく、稽古もしないのに幕内優勝を重ねた横綱・輪島の生涯を、最初の妻の証言をもとに明らかにしていく。
内容説明
放埒な恋と蕩尽と、事業失敗のあげく名跡を担保に金を借り、相撲界を騒乱の極みに陥れた、不世出にして破天荒な天才、故・第54代横綱・輪島大士―大相撲八百長報道で角界を震撼させた著者が、その元妻に長時間の取材を敢行し、年寄名跡をめぐる初代・若乃花との対決、ロス疑惑・三浦和義との接点、暴力団との共生関係等々、輪島の栄光と堕天の時代を活写する。
目次
序章 輪島博と私
第1章 輪島の恋わずらい
第2章 花籠部屋の隆盛期
第3章 輪島との結婚と花籠襲名
第4章 父逢いたさに自殺未遂
第5章 1985年の輪島大士
終章 番外の人
著者等紹介
武田頼政[タケダヨリマサ]
1958年、静岡県生まれ、京都産業大学卒業後、出版社勤務を経てフリー。2007年に「朝青龍の八百長疑惑」を週刊誌で告発し、「第14回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨーイチ
30
年明け最初の一冊。本当は昨年読了していたのだが、怠けているうちに年を越してしまった。決して悪気はないのだが(笑)出版社といい著者といい装丁といい「胡散臭さ」に溢れた一冊。ついぞ読むことの無くなった「おじさん週刊誌」満載感は逆に新鮮だったりする。自分で買っておいて何だが「何故今横綱輪島?」とか「何年前だよう」とか呟きながら読了。出版は割と最近だけど執筆はかなり昔だったのではないか。輪島スキャンダルに三浦和義氏まで出て来るとは思わなかった。東スポ的展開である。読者サービス?2022/01/02
藤瀬こうたろー
26
第54代横綱・輪島の元妻の一人語り形式で書かれた評伝。苦労人の先代が額に汗して栄えさせた花籠部屋を先代の娘である元妻と結婚して跡を継いだ輪島がいとも簡単に破滅の道へと導く様が描かれる。まず、先代が大器とみた輪島に惚れ込み、ちゃんこ番もさせず甘やかして育てる様は後の双羽黒(北尾光司)に似ている。そして輪島は酒と女遊びで金を散財したあげく、年寄名跡を妹の借金の担保にしたことが公になり、廃業まで追い込まれる。気持ちは分かるけど一方的な恨み節のオンパレード。あと、二子山親方を必要以上にディスりすぎだと思った。2025/04/29
おかむら
26
オンナとカネにだらしのない人。輪島の元妻(花籠部屋の長女)の一人語りというスタイルの伝記。全編恨み節。結婚生活の最初から銀座で豪遊三昧で浮気されまくりーの、年寄り株担保に借金しまくりーの、部屋を廃業に追い込みーの、そりゃあ恨みたくもなるでしょう。ダメな人ほど面白い、その面白エピソードが全くないのがちょっと読みたい本と違ったな。あと二子山親方(若貴の叔父さんで土俵の鬼)がなんかちょーイヤな奴として登場してます。へえ。2023/07/24
gtn
23
輪島を「騒擾の神」と断じる元妻。何も考えず本能のまま快楽に支配される輪島に、周りの者は傷つき苦しむ。だが、馬鹿ではあるが、生得の悪人でないことは元妻も気付いている。元妻が心底憎むのは、旧弊と権力と金の権化、初代若乃花の元二子山親方。2021/12/24
ようはん
15
先に読んだ杉森久英「天才横綱 輪島大士物語」が元横綱・輪島のヒーローとしての正の側面を書いた作品であったが、こちらは輪島の負の側面が元夫人の視点から徹底的に書かれている。とにかくこれでもかという程に金銭感覚がゼロで過剰なまでの豪遊好きな輪島のエピソードの数々は凄まじい物がある。師匠の花籠親方は親方になれば落ち着くからと娘と輪島を縁組したが、その後の最悪の結末からすれば何で輪島を選んでしまったのか、選ばない選択肢は無かったのかと感じる。2019/08/18
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