内容説明
二〇一六年の豊洲移転でなくなる築地魚河岸―。仕事に生き、人情に生きた著者による築地回顧録。
目次
第1章 私と築地(築地魚市場はこんな所;初めての築地 ほか)
第2章 おじいさんと築地(全ては芝山専蔵から始まった;日本橋の魚市場はこんなところだった ほか)
第3章 築地を離れて(芝専をくびになる;京都へ行く ほか)
第4章 神勝時代(神勝入社;結婚して家族を持つ ほか)
第5章 芝専とともに生きる(芝専に戻る;自分にできる仕事は何か ほか)
著者等紹介
芝山孝[シバヤマタカシ]
大正15年創業の老舗仲卸鮮魚店「芝専」社長の弟。昭和28年東京都江東区に、「芝専」の三男として生まれる。50年日本大学四年在学中に「芝専」に入社。4年後、親族の諍いにより「芝専」退社。55年、築地の仲卸「神勝」に入社。平成21年、30年あまり勤めた「神勝」を退職し、「芝専」に復帰。以降、仲卸の仕事を続け今日にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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プレイン
9
市場の関係者はまず荷主、漁をして魚を捕ってくる人たち、つまり漁協だったり浜仲買商。その魚を、卸売業者が買い取る、卸売は7社ほどしかない。そして卸から仲卸業者へ売られて、スーパー、魚屋など小売り業者や寿司屋、レストランへ売られていく。著者は築地市場にある仲卸約600社のうちそのひとつの芝専に働いている仲卸人。朝2時に起きて働くプロの目利きが売る魚がまずい訳がない。そんな魚を食べたくなってきた。こんな築地もいよいよ終わりが近づくが、いつまでもその心意気は続いて欲しいと願う。今日は魚料理にしよう!2016/09/17
キンセンカ
3
ここで働いていることが誇りだ、と言い切れる仕事をしている筆者。シビれました。2015/08/23
वाराणसी
0
短期間ではあったが、築地の場内で働いたことがある。 人情の部分のは同感。色々な事情で長く勤められなかったけど、もっと若い頃に築地を知っていたら、今とは違う世界を深く知ることができたんだろうな、と今でも思っている。それ程築地と言う場所、職場、空間は魅力的な場所である事をストレートに伝えている内容だった。2017/06/11