内容説明
2045年にコンピュータの能力が人類を超えるという説がある。実際に、近年のコンピュータの進化はその説に沿っており、またいま欧米では人工知能開発に一層の拍車がかかっている。意識を備えたコンピュータが人類を支配するというSF映画の世界が、現実になるかもしれないのだ。コンピュータと人類の未来を展望する。
目次
1章 コンピュータが人間を超える日―技術的特異点とは何か
2章 スーパー・コンピュータの実力―処理速度の進化
3章 インターフェイスの最先端―人体と直結する技術
4章 人工知能開発の最前線―意識をもつコンピュータは誕生するか
5章 コンピュータと人類の未来―技術的特異点後の世界
6章 コンピュータが仕事を奪う―大失業時代の予兆
7章 人工知能開発の真意―コンピュータは人類を救えるか
著者等紹介
松田卓也[マツダタクヤ]
1943年生まれ。宇宙物理学者・理学博士。神戸大学名誉教授、NPO法人あいんしゅたいん副理事長、中之島科学研究所研究員。1970年、京都大学大学院理学研究科物理第二専攻博士課程修了。京都大学工学部航空工学科助教授、英国ウェールズ大学ユニバーシティ・カレッジ・カーディフ応用数学天文学教室客員教授、神戸大学理学部地球惑星科学科教授、国立天文台客員教授、日本天文学会理事長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
40
神戸大名誉教授、13年著。2045年に人類の能力よりもコンピュータの能力が上回り、未知なる世界へ入る事を技術的特異点と呼び、考えられない世界もしくは映画のようなコンピュータに支配される世界が来るのかもしれないという。映画の2001年宇宙の旅やターミネーターなどを混じえ、分かりやすくコンピュータサイエンスを解説。既にアマゾンアレクサで、入力されていない反人間的な発声が話題になったが、人間と対立する時代が来てもおかしくないと思う。仕事も奪っていくAI。便利なようだが恐ろしい。2019/03/23
Shinchan
39
コンピュータの進歩は目覚しく指数関数的に速度および容量が増し、またインターネットの普及により個人が扱える(接する)情報量も飛躍的に増加した。コンピュータが意思を持ち自ら学ぶことができる様になったら「2045年問題」も現実のものとなってきそうで、怖い感じがする。 この本を読んで昔読んだ「Demon Seed」(悪魔の種子:ディーン・クーンツ)を思い出した。あらすじ:「意思を持ったコンピュータが自由に動き回れる肉体を持つために自らの遺伝子を設計し、女性を妊娠させ、その子供に自分の知識(意識)を移す。」2014/01/09
壱萬参仟縁
34
わたしは死んでいない2045年(苦笑)。だから知ったことではないのだが、 それでも興味本位で借りてきた。スーパーコンピュータ京は、1秒間に1京回(1兆の1万倍)、10ペタフロップスの世界最高レベルの計算性能。 テラが1兆。ペタは1000兆。10ペタで1京(51頁)。カーツワイルは、将来の科学・技術進歩は、遺伝子工学、ナノテクノロジー、ロボット の段階を踏むとする(140頁)。著者によると、脳にコンピューターが装着されると、引きこもり人間が増えると懸念される(144頁)。 2014/09/16
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
27
うーむ、読後感はあっけにとられるといった感じ。日本人がこの分野に及び腰であることは理解できた。宇宙物理学者である著者はその先駆者たりうるのだろうが、語り口のせいで眉唾モノの匂いが拭えませんね(笑)2013年当時の新書だし、突飛な書き方をする必要性も多分にあったのだろうけど。ただ、先日読んだLIFE SHIFTと合わせて考えて、貧富の格差が今後ますます拡大していくのだろうなというのは強く感じた。色々考えるきっかけになりました。思考放棄したくもなりますが。2017/05/06
犬こ
22
2045年には人工知能が完全に人間を制覇しているだろうとSF世界の実現化を提言している最近よくある類いのものです。コンピューターまわりの人工知能の予測もいいけれども、わたしは飛びたいんだよな~(苦笑)ナウシカでもなく、アトムでもなく、人間が素に近い形で飛ぶとかの未来予測は、どこを探してもないな~オバケのQ太郎の飛び方が理想。2017/02/27
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