内容説明
イチローの原点「振り子打法」生みの親である元コーチが明かす真実。天才打者の打撃メカニズム、恩師だから見抜ける「イチローの今」ほか、「才能を開花させる極意」など一般社会に通じるヒントも満載。
目次
プロローグ―イチローの本当の強み、見過ごされた長所とは?(イチローの強みはどんな変化球にも対応できること;イチローは前例のないオンリーワンの存在 ほか)
第1章 イチローとの二人三脚―素材をどう生かすべきか(畏敬する三輪田スカウトが獲ってきた高校生;ほかの新人がへばる時期に調子を上げてきたことに驚く ほか)
第2章 イチロー飛躍の裏側―200安打、そしてメジャーリーグへ(いつのまにか生まれていた「振り子打法」;ハワイ・ウインターリーグで目を見張る活躍 ほか)
第3章 疑問だらけの「イチロー常識」―打撃メカニズムの真実、そして今(「変化球を打てるのは動体視力とバットコントロールがいいから」は間違い;イチローの本当の強みは「5つのタイミング」と「0.05秒のため」 ほか)
第4章 身近なイチローを生みだすために―才能を伸ばす指導法(試合は選手にとって最良の教師;平時の投球練習より有事の投球練習をメインに ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もとむ
12
イチローをオリックスで新人の頃から指導してきた、2軍コーチによる指導法をまとめたもの。「欠点よりも長所を伸ばすことに着目する」という信念がそこにはあり、これはすべての「人を導く」事柄に共通すると感じました。「良いイメージを覚えこませる」「アドバイスとは相手に選択権があり、その一線を越えると指導は単なるエゴになる」「熱意のない教師(コーチ)には、人に熱意を伝えることはできない」…とまあいちいち響きました✨極め付けは「イチローとは準備の天才。あらゆることへの準備のレベルが高い」本当に読んで良かった一冊です😊2024/09/14
yakisoba
6
メジャーリーグで活躍するイチローを神格化する書籍は多数出ているが、オリックス時代の鈴木一郎を最も近い位置で見ていた二軍コーチの視点で書かれた文章は新鮮である。契約3年目で成績が残せていない一軍監督と、選手を弄りたがる一軍打撃コーチ。センスの塊でありながら即戦力となるにはまだ時間が必要であった鈴木一郎の間に起きていた“不協和音”が、非常に良く伝わってくる。2014/02/18
おもち
4
著者はイチロー選手がオリックス2軍にいた時の打撃コーチ。イチロー選手の2軍時代のことが詳しく書かれている。もし三輪田スカウトが指名を渋る上層部を説得してなかったら、そしてオリックスに入ってからもこの著者との出会いがなかったら、そしてもし監督に彬木さんが来てなかったら、イチロー選手は才能を発揮することなくつぶされていたかもしれない。と思うと縁というものを不思議に感じる。きっと才能があっても芽が出ずに人知れず消えていった選手も数知れずいるんだろうなぁ 2013/03/18
チクタクマン
1
イチローの鈴木一朗時代の話は新鮮だった。著者である鈴木一朗時代の二軍打撃コーチと、打撃指導をコーチに任せた二軍監督の「無理はさせない。二軍の試合に多く出して、じっくり育てたい」という姿勢が、イチローにとって良かったのだろう。一方で、一軍の監督・コーチは試合に勝つことが求められていて、選手にも結果を求める。打撃コーチの指導法で足並みが揃わなかったのも、この一軍と二軍の立場の差が原因の一つかもしれないと思った。あと、本書にあった「スカウトがそのままコーチになって指導する」というシステムに興味を引かれた。2016/03/21
SU
1
実戦経験の大切さを何回も語っている。確かにその通りだと思います。2012/09/17