内容説明
日本文化の特異性を照射した山本七平。その業績を二人の英知が検証しつつ、国際化にゆらぐ日本人に提言する。
目次
第1章 『アーロン収容所』と『日本人とユダヤ人』―太平洋戦争と二冊の本
第2章 ヨーロッパ・ユダヤ、そして日本
第3章 山本七平の人と思想
第4章 日本人の鎮魂のありか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコ虎
4
日本にどうしてもキリスト教が根づかない理由についての対談本で、また山本七平への忌憚のない批判もなされています。ベネディクトの「菊と刀」で日本人は一億総懺悔のように恥の意識しかないことにうろたえ、罪の意識がないからダメなんだとつい反省してしまったのですが、会田、佐伯氏によって、これは上から目線でプロテスタンティズムの文化から見た評価に過ぎないのだと明確に切り捨ててくれます。図書館にしかない本なのであまり普通の人が読める本ではないですが、気楽に西洋と日本の比較について学ぶことができるよい本でした。2016/03/04