内容説明
人生暗転の瞬間は5分だった!51歳・銀行マン、転職の軌跡。銀行業務の内幕とバラバラ崩れゆく家族関係をリンクさせ、経済小説と家庭小説の両面を堪能させてくれる。強権発動の元上司に宣戦布告する仇討ちの展開も興味満点。大手銀行をリストラされた主人公の苦悩を通して、働くことの意味を問う。
著者等紹介
汐見薫[シオミカオル]
東京都出身。東京外国語大学卒業。会社員を経て、中学・高等学校勤務。2003年「黒い服の未亡人」で第1回北区内田康夫ミステリー大賞を受賞し、作家デビュー。2004年『白い手の残像』で第1回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞受賞(現・城山三郎経済小説大賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くろにゃんこ
48
大手銀行で必死に働いてきた森山は上司にリストラを告げられる。単身赴任から自宅に戻り第二の人生・・・・・色々起こって読み易い。ひどすぎると思っていた奥さんの行動あれこれでしたが、もうちょっと分かち合ってもいいのでは?後半なんだか可哀想になりました。2017/03/27
ゆみねこ
43
一流大学を卒業してエリート銀行員として走り続けていた森本二郎が、突然リストラされる。夫の職業とその妻という座にしがみつく専業主婦の妻「みはる」、この人に猛烈な反発を感じてしまう。格安バスツアーで出会った山室老人が良い味出している。『所属する組織とか肩書きがはずれたあと、人の価値はどう計ったらよいか』最後はメデタシメデタシという結末で読み心地は良かったです。ちょっと半沢直樹を思い出しながら読んでしまった(笑)2013/10/26
あっ!chan
42
仕事第一のサラリーマンにとって、ある日突然職を解かれたら…プライドも生き甲斐も友達も、そして家族さえも無くしてしまったことに気づく(実は薄々気づいているのだけど)自分…こんなはずじゃなかったと、他人のせいにしてうじうじと…まさしく絵に描いたストーリー(当たり前か)だったが、決して他人事ではないと思ったりして…しかし元銀行員の旦那も旦那だけど、奥さん何とかならないのかなぁ~しっかりしているのはこの夫婦にそだてられた子供達だけとは、反面教師も悪くないかも…最後はちょっとだけバタバタはご愛敬。2016/07/30
だんたろう
28
なかなか面白い。銀行員でリストラとくれば、思い出す作品もあるが、こちらは日常の生活がよく描かれている。途中で話の転換もあり、最後までひっぱられる。銀行員というよりも、ひとりの人間の生き様を描いているともいえる。派手さはないが、かなり面白い。ただ、主人公の妻の病んでいる姿があまりにも強烈で、気持ちよさがないのは残念。人間は変わる気になれば変われるが、その気がなければ自動的には一生変われない。そんなことを突きつけられた感じがする。2013/11/24
ジュール リブレ
20
少し前の本ですが読んでみるとちょっぴり半沢直樹風。仕事しかしないオヤジに子離れできない妻、子供たちがあんがいいい感じ。パワハラ役員に使い捨てにされて後は……ご一読を。2016/02/28