内容説明
いま私鉄は、高齢化、少子化、人口減少、ライフスタイルの多様化といった世情の大きな変化を受け、これまでの事業スタイルの変革を迫られている。岐路に立つ私鉄は、事業の根幹である「沿線」の新たな活用、価値向上に取り組もうとしている。著者は、取材歴30年以上のベテラン私鉄ウォッチャー。定住化促進、子育て支援、学校誘致、ショッピングモール、宅地開発といった私鉄沿線の「まちづくり」現場を歩き、その将来像を探っていく。
目次
第1章 いま「沿線」で何が起こっているか
第2章 人口減少時代に鉄道会社は何ができるか
第3章 住んでもらうための切り札とは
第4章 「都心集中」の中で新しい沿線がつくれるか
第5章 高度成長期の負の遺産は再生できるか
第6章 地域コミュニティが沿線を盛り上げる
終章 鉄道会社は新たな「沿線まちづくり会社」になれるか
著者等紹介
森彰英[モリアキヒデ]
東京都立大(現首都大学東京)卒。光文社編集者を経て、フリージャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mazda
23
少子高齢化の波は私鉄各社にも来ているようで、これまでは延伸、沿線の宅地開発で一様に儲かっていましたが、団塊の世代の引退に伴う通勤客の減少も重なり、単純な開発だけでは淘汰されてしまうかも知れません。関東近郊の私鉄で唯一都心直通がなかった相鉄も、数年のうちにつながるようになりますが、タイミングを逸したような気がします。今後の私鉄各社の動きから目が離せません。2017/10/02
jiangkou
8
激混み通勤輸送、街づくり、観光列車、通勤特急と色々と手を打って今後も安泰感がある私鉄だが確実に定期通勤客が減るなど岐路に立たされており、より沿線に住む、沿線に集まるという本来の交通需要を保つ施策に迫られていることが分かった。東急や阪神など根っこの思想に都市開発がある会社以外は観光に頼りがちで永続的な人の移動や集まりの企画力にかけることもわかった。しかし如何せん記者が拾い集めた事例を紹介しているだけで深みが無い。もう少し考察があると面白いか。記者の限界を感じる。2019/05/08
mazda
7
少子高齢化の波は私鉄各社にも来ているようで、これまでは延伸、沿線の宅地開発で一様に儲かっていましたが、団塊の世代の引退に伴う通勤客の減少も重なり、単純な開発だけでは淘汰されてしまうかも知れません。関東近郊の私鉄で唯一都心直通がなかった相鉄も、数年のうちにつながるようになりますが、タイミングを逸したような気がします。今後の私鉄各社の動きから目が離せません。
tkmt
2
大都市圏でも少子高齢化は進行し、衰退していく。ひとつの鉄道会社のみでまちを造れる時代は終わり、これからの道を各社模索している。どれが正解なのか分からないが、女性という存在が案を出す段階としても、ターゲットとしても重要なことを痛感した2019/04/11
Teo
2
「私鉄会社」のサバイバルです。サブタイトルで「選ばれる沿線になるには」とある様に、その私鉄沿線にどうやって人を惹き付けて会社を存続させるのかと言う話。したがっていきおい沿線をどう変えていくかと言う話になる。するとほとんど鉄道本体そのものの話は出て来ない。鉄道そのものの話は丁度昨日今日話題になった京王ライナーの様な着席型列車の部分位しかない。2018/01/25