内容説明
ほんの140年程前、日本が丁髷の国から一気に近代国家へと転換していくなかで、鉄道は極めて重要な国家事業であった。ほぼ同時期に瓦版から生まれ変わり、成長していったのが「新聞」だ。そんな背景の中で「鉄道記者」はどのように誕生し、活躍の場を広げていったのか。ほとばしる情熱と才気をみなぎらせ、ペンを手に時代のうねりを発信し、鉄道に物語を付与した記者たち。本書では元「鉄道記者」である著者が、多岐にわたる資料を丹念に拾いながら記者たちや周辺の人々の足取りを読み解く。密接に絡み合う鉄道史と新聞史双方が明らかになる、貴重な記録。
目次
第1章 鉄道操觚者・木下立安(1866~1953)(慶応をトップで卒業、「時事新報」入社;「鉄道時報」を創刊、鉄道操觚者に ほか)
第2章 伝説の特ダネ記者・青木槐三(1897~1977)(日本八景;駆け出し時代 ほか)
第3章 忠犬ハチ公をめぐる鉄道記者たち―細井吉造、林謙一、渡邊紳一郎(社会部記者の鉄道クラブ誕生;忠犬ハチ公をめぐる3記者 ほか)
第4章 『国鉄物語』の門田勲(1902~84)(鉄道記者の教科書;無人運転 ほか)
第5章 レイルウェイ・ライター・種村直樹(1936~2014)(鉄道開通の記事;鉄道100年 ほか)
著者等紹介
堤哲[ツツミサトシ]
東京生まれ。1964年早稲田大学政経学部卒、毎日新聞社入社。初任地長野支局で国鉄長野鉄道管理局を担当したのが鉄道記者の始まり。社会部記者として国鉄本社を担当した。編集委員、紙面審査委員長などを歴任。現在鉄道記者らの「交通ペンクラブ」事務局長。公益財団法人「アジア刑政財団」、同「日本ナショナルトラスト」各評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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