内容説明
日本を代表する大温泉地であり、また、明治以降早くから高級別荘地として開け、首都・東京の奥座敷として発展してきた「箱根」。その麓に位置する箱根湯本と山間の強羅間8・9kmを結ぶ標高差445mの鉄道が箱根登山鉄道だ。本書は、その誕生の経緯、そして粘着方式の鉄道では日本第1位、世界でも第2位の急勾配を克服した技術に焦点を当てながら、箱根の知られざる一面に迫る。
目次
第1章 なんだ坂!こんな坂!(水も滴る急曲線;頼りは摩擦の力だけ ほか)
第2章 地獄の道に湧く温泉(この山は梵篋に似たり;石畳、歩きづらいのは首都防衛のため? ほか)
第3章 未曾有の計画(登山鉄道敷設の目論見;学は先人の技術 ほか)
第4章 キーワードは「ときめき」(小田急の財産;こんなのロマンスカーじゃない! ほか)
著者等紹介
青田孝[アオタタカシ]
1947年東京生まれ。日本大学生産工学部機械工学科で鉄道車両工学を学ぶ。卒業研究として1年間、旧国鉄の鉄道技術研究所に通う。70年、毎日新聞社入社。成田支局で航空機関連を取材。以後、メディア関連を担当する編集委員などを歴任後、03年退社。フリーランスとして執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ms.H
10
鉄道を敷くための土木技術について書いてあるのだと勝手に思って読み始めたが、車両の構造開発について書かれた本だった。登山鉄道からロマンスカーまで、時代の移り変わりとともに箱根登山鉄道に求められるものを、その時々の技術者が叡智を結集して作ったのかと思うと、登山鉄道にもロマンスカーにも乗りたくなってくる。「富士山に登山鉄道と登山道を!」という主張も頷ける。小田急と西武系の伊豆急が両方あるのも、「そんな因縁があったのか…」とわかった。2013/11/06
Guro326
3
鉄道が通ったからこそ観光地として発展した、という地域は結構ある。(箱根もそうだが鎌倉も)前半は登山鉄道史。後半はロマンスカー。EXEは子どもに「こんなのロマンスカーじゃない!」と言われたとか。確かに。2012/04/10
Toshi KYM
2
興味多いが、同じ文章も多い2016/05/18
Tadashi_N
2
箱根登山鉄道は開業前から環境にしていたとは、先見の明2012/08/04
だんだん
2
箱根登山鉄道の、日本におけるユニークさを、前々から知っていたが改めて思い知った。VSEに近々乗りに行きたい!2012/06/21