内容説明
1964年東京、1972年札幌、1998年長野と、国内で開催された過去3回のオリンピックを機に、鉄道を中心とした交通インフラがどのように整備され、大会期間中にどのような輸送が行なわれたのか。交通などの都市基盤が発展途上にあった当時、現在とは大きく異なるできごとが次々と起きていたのだった。昭和の東京大会から平成、令和と時代を重ねた今、「あのオリンピックのときにはこんなことがあったんだ」というエピソードの数々を、当時の貴重な記録から探る。
目次
第1章 1964年東京(「東京オリンピック」の開催;オリンピック大会前の東京;東海道新幹線の開業 ほか)
第2章 1972年札幌(「札幌オリンピック」の開催;オリンピック開催当時の札幌;北海道初の地下鉄誕生 ほか)
第3章 1998年長野(「長野オリンピック」の開催;「長野行新幹線」の開業;しなの鉄道の開業 ほか)
著者等紹介
松本典久[マツモトノリヒサ]
1955年東京生まれ。出版社勤務を経てフリーランスの鉄道ジャーナリストに。『鉄道ファン』や『旅と鉄道』などへの寄稿、鉄道関連の書籍、ムックの執筆や編著などを行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おいしゃん
27
オリンピックと鉄道という組み合わせが意外に思えたが、たしかにオリンピックに向けて新幹線やモノレールが作られ、未曾有の大量輸送に備え輸送計画が練られ…と、インフラ形成の上で大きな出来事なんだなぁと、興味深かった。2021/06/18
西澤 隆
8
東京五輪当時の写真を見るとモノレールの足下は漁村のよう。東京のまちも「いだてん」を見るかのような風情。東京五輪は歴史上の物語なのだなあと思う一方、長野五輪は働き始めていただけに「ちょっと前」な印象。ご近所を通る新幹線がスーパー特急とかミニ新幹線になっていたら相当上京も面倒だったと思うと五輪が絡んで当地までフル規格で作ってもらえたのはありがたいなと思うなど「五輪という開発の大義名分」の強力さを痛感する。仕事で関わった家族が、長野五輪の鉄道開発を「今のSDGsに繋がる」と高く評価してくれたのを喜んでいました。2020/03/09
ビスコ
4
東京・札幌・長野の五輪によって大きく動いた鉄道網を紹介する一冊。復興のタイミングでもあったり鉄道網の動きも大きかったというのもあり、約半分は東京五輪。 金額が膨れ上がったりと色々言われつつも、2021五輪で大きな交通網の変化が無い(高輪ゲートウェイと虎ノ門ヒルズ駅くらい?)辺りは、過去の遺産をきっちり使ったコンパクト五輪なんだな、と一応理解。2020/06/03
Teo
3
第1章の前半は鉄道ファンなら首都圏やその辺の鉄道事情の変遷史なのでもう知ってるよと言う感じ。でも鉄道は知ってても車を知らないとその後にある道路事情の話はなかなか興味深い。札幌五輪についてはこれは私が現地で同時代史として経験した物。それまでの古い札幌市街を網羅していた市電が次々と廃止されて行き、地下鉄工事は駅前の市電を鉄板の上を走らせる形で工事が進んだ。一瞬の時期の西4丁目→西4丁目の環状運転の時も乗った。2020/06/24
インテリ金ちゃん
2
東京と長野は、新幹線の開業が伴い大きな変化が感じられた。札幌は遠いせいか、いまいち実感がわかなかった。2022/01/31