内容説明
資本主義における“価値を生産しない労働”とは?“社会的、経済的に見て有用だが価値を生産しない労働”である「サービス労働」は、社会的生活を送るうえで欠くことができない。しかし、資本にとってそれは「空費」として位置づけられる。マルクス『資本論』にたちかえり、サービス労働論の方法論的反省を提起する。
目次
第1章 自然の復讐と人類史の課題
第2章 経済の金融化と資本の神秘化
第3章 消費を生産と読み替えることの不合理について―『サービス商品論』批判
第4章 労働価値論と研究開発―価値ある科学労働は価値を生まないという逆説
第5章 情報革命と補助資本―マルクスは問題をどのように考えたか
第6章 空費概念の現代化―労働価値論から見た「サービス階級」の価値不生産性
第7章 不生産的賃労働と「経済のサービス化」―労働の不生産的機能と利潤の補償理由
第8章 特殊資本と不生産的賃労働―利潤の補償理由と「経済のサービス化」
著者等紹介
渡辺雅男[ワタナベマサオ]
1950年東京に生まれる。一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サービス労働の概念を明らかにする研究 経済のサービス化をマルクス経済学で分析 目的合理性のある人間の活動 自然に対する人類の能動的態度 予期せぬ自然的な結果 生態学的リスク 自然支配の幻想と自然の復讐 経済の金融化と資本の神秘化 資本主義的生産における信用の役割 消費労働を生産と読み替えることの不合理 サービスの成果は能力形成という説への批判 社会的総生産物と対人労働部門 研究開発部門の肥大化と資本間競争 補助資本としての情報財 空費概念の現代的な意味 価値不生産的資本としての特殊資本 資本の二重化2025/05/18