内容説明
マックス・シュティルナー不朽の名著『唯一者とその独自のありかた(唯一者とその所有)』冒頭に掲げられたこの一句は、彼の思想を貫く原理にほかならない。フォイエルバッハをはじめ、19世紀ドイツ思想界を震撼させた『唯一者』登場の衝撃を読み解き、シュティルナー哲学の核心に迫る。
目次
第1章 「一切を空だと見定めた/ああいい気持ち!」―ゲーテとコヘレト、そしてシュティルナー(シュティルナーの基本思想;ゲーテとコヘレト ほか)
第2章 フォイエルバッハの弟宛て書簡について―シュティルナーとの論争解釈史における混乱(はじめに―七通の書簡;「公開予定」の書簡(史料1)について ほか)
第3章 類概念と対象的存在の論理―シュティルナー・フォイエルバッハ論争の考察(「シュティルナー・ショック」をめぐって;シュティルナーによる類概念批判 ほか)
第4章 唯一者の独自のありかた―エゴイズムの問題(シュティルナーの側から論争を見直す;「第一部 人間」の概要とフォイエルバッハ批判 ほか)
第5章 エゴイストの往き来と創造的無(創造的無とは―歴史哲学の観点から;エゴイズムと愛をめぐって ほか)
著者等紹介
服部健二[ハットリケンジ]
1946年生まれ。四国学院大学人文学科卒業。立命館大学大学院文学研究科西洋哲学専攻博士課程単位取得退学。立命館大学名誉教授、名誉役員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yokkoishotaro
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フォイエルバッハ目当てで読んだわけだが、ゲーテや仏教との関係性の気づきもあって良かった。ゲーテはイタリア紀行で、ヴェスヴィオ火山の話をしていたし。 現実と人間の中にあるシミュレーションをどう考えるか、唯一者(つまり個だと思うが)はシミュレートできるのか、このあたりはとても大きな問いだと思う。 非常に示唆的で良かった。2025/08/31
水海 瞬
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フォイエルバッハの専門家が、シュティルナー・フォイエルバッハ論争を見直し、2人の思想をその観点から整理している。2023/06/11




