内容説明
地下出版された本書のタイプ原稿がKGBに押収され、「反ソ活動」の容疑者として迫害・監視下にありながら、旧ソ連邦内の逃避行を敢行した著者ロイ。そのただ中でタイプ稿をアメリカで出版することを決断、やがて独・仏・伊・日などの各国で翻訳され、世界的に反響を呼んだ。その後ロイのもとには、矯正労働収容所で命を落とした囚人の家族や生き延びた元囚人の証言が、作家や友人たちが秘匿し封印していた諸文書や回想が多数寄せられ、彼は大幅に改稿した。大著『共産主義とは何か』の増補・改訂新版。
目次
第1部 スターリンの党への抜擢と地位の高まり(全連邦共産党(ボリシェヴィキ)党首としてのスターリン
スターリンの反対派との闘い
農業集団化と工業化実施上におけるスターリンの誤謬と犯罪
一九三〇年代初頭の国内・国外情勢の緊迫化 スターリンの新たな犯罪)
第2部 スターリンによる国家と党の権力奪取(S.M.キーロフの暗殺。旧反対派指導者たちに対する裁判;党と国家の主要幹部要員に対する打撃(一九三七‐一九三八年)
一九三九‐一九四一年の復権と弾圧について
審理と拘禁に用いた不法な方法)
著者等紹介
メドヴェージェフ,ロイ[メドヴェージェフ,ロイ] [Медведев,Рой]
1925年生まれ。歴史家・政治家。1946年から1951年、レニングラード大学哲学部で学ぶ。1951年から1957年、村の学校の歴史教師・校長。1956年、ソ連共産党に入党。1969年に主著『歴史の審判に向けて』(邦訳『共産主義とは何か』、三一書房)の発刊でソ連共産党を除名され、KGBはロイの逮捕と原稿の没収を決定。ロイは合衆国で同書が公刊されるまで、ソ連各地を数カ月間逃避行した。国際的反響が広がる中で、KGBも逮捕を断念し、常時監視処分となる。1989年に復党
佐々木洋[ササキヨウ]
1942年静岡県生まれ。北海道大学大学院農学研究科修士課程修了。札幌学院大学名誉教授。専門はジョレス&ロイ・メドヴェージェフ研究
名越陽子[ナゴシヨウコ]
1953年東京生まれ。東京外国語大学ロシヤ語科卒、同大学院修士課程修了。ロシア国立プーシキン大学教師課程修了。翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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