エートル叢書
ありそうもないこと―存在の詩学

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  • サイズ A5判/ページ数 397p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784329010148
  • NDC分類 901.1
  • Cコード C0398

内容説明

現代フランスの高名な詩人によって書かれた、詩と芸術をめぐる、言葉の本来の意味における珠玉のエセー集。壮麗にして厳格この上ない詩的言語=否定神学によって織りなされた比類なきバロック的宇宙が、われわれの眼前にもうひとつの光り輝く現実性として現前する。

目次

ありそうもないこと(ラヴェンナの墓;悪の華;バルテュスの発明 ほか)
四つの覚え書(フラ・アンジェリコの作品;ミケランジェロの新たな見地;二つのカラヴァッジオ論 ほか)
マントヴァで見た夢(ビザンティウム;絵画と場所について;第二の単純性 ほか)
書誌ノートNote bibliographique

著者等紹介

ボヌフォワ,イヴ[ボヌフォワ,イヴ][Bonnefoy,Yves]
1923年トゥールに生まれる。シュルレアリスム、実存主義哲学を経て、1953年『ドゥーヴの動と不動』により、現前の直接性を名付ける独自の詩学を樹立。以後、文芸・美術批評、シェイクスピアやイェィツの翻訳など広範な活動を続ける。1981年から93年までコレージュ・ド・フランス詩学教授。また、短詩としての俳句の研究にも優れた業績があり、2000年に第1回正岡子規国際俳句大賞を受賞した

阿部良雄[アベヨシオ]
1932年生。東京大学名誉教授。現在、帝京平成大学教授。専門は19世紀の詩と絵画

松山俊太郎[マツヤマシュンタロウ]
1930年生。専門はインド文献学、ハス~スイレンの文化史研究。50年来サドに関心を持つ

宮川淳[ミヤカワジュン]
1933生。成城大学文芸学部教授を勤め、1977年没。専門は美学、美術史

田中淳一[タナカジュンイチ]
1941年生。現在、慶応義塾大学教授。専門はフランス近現代詩

島崎ひとみ[シマザキヒトミ]
1954年生。現在、上智大学一般外国語講師。19・20世紀のフランス詩、特にイヴ・ボヌフォワを研究
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感想・レビュー

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内島菫

17
ボヌフォワが、一見大胆にも概念を切り捨て、実存のエピファニーとして現前を押し出す仕草は、詩人としての誠実さに満ちている。確かに言葉が意味を持たないように、人の実存もまた概念的な意味は持たない。言葉も私たちも、そもそもの始めから、ありそうもないことこそが在るという「在る」の状態にあるはずだ。しかし、ほとんど終りから始めなければならないように見える今となっては、意味や概念が、エデンの東にケルビムとともにある炎によって焼き尽くされた後でしか、人は実存のもとへ、2020/10/08

若い脳

2
今、詩人は何人いるのだろう。実はたくさんいるのかもしれないけれど、魂以上に身を削って真理を掴もうとしている存在を自分は知らない。そう考えると虚しさや淋しさに包まれるがそれ以上に自身が憎くなる。書物が言葉の深さを再認識させてくれた。2010/11/29

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