内容説明
アナトール・フランスからサドまで、古今東西の偉大なる古典作家たちの秘密が、ここでは楽しげに暴かれる。語っているのは誰なのか?理想の読者はどこにいる?炎上するアレキサンドリア図書館の巨大な書架、ルーブル美術館の壮大なる闇の「地獄室」を略奪せよ!くたばれ、すべてのオリジナリティー。
目次
1 剽窃とその周辺(ふたつのペテン;剽窃者の手練手管;からかい;ペレックは楽しむ;太鼓=喇叭;漫才コンビ)
2 本来の意味の剽窃(剽窃の誕生;カリズ;三人組;検閲者はだれか?;秘密のコード;全面的剽窃;サドの引用符)
著者等紹介
エニグ,ジャン=リュック[エニグ,ジャンリュック][Hennig,Jean‐Luc]
1945年生まれ。元カイロ大学教授。リベラシオン、ラジオ・スイス・ロマンド記者。小説家
尾河直哉[オガワナオヤ]
1958年生まれ。早稲田大学博士課程単位取得満期退学。フランス文学、ロマンス諸語文学
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2024/10/19
KTAT
1
剽窃、つまり「パクリ」をして何が悪いという題について、高尚かつ実にユーモラスに論じた本。「私はうら若い娘さんをお下劣な連中とのつきあいから救い出して上品な社会に入れてやったのです!」剽窃を批判されたシェークスピアの言葉の鋭さに、「モードは儚ければ儚いほど完璧なのです。だから、すでに死んだものを保護するなんてできるわけがない」と盗用を「され」続けてきたココ・シャネルの言葉の迫力に圧倒される。小難しさも含め、出てくる一文一文を味わうことのできる一冊。2015/09/23
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