内容説明
惑星的規模における「スペクタクルの社会」が新たな段階に達するなかで、情報権力の世界化および単一化としての「統合されたスペクタクル性」の社会の到来を正確に予見した、ドゥボールによる20世紀後半の最も革命的で、極めて実践的な理論的考察。
目次
スペクタクルの社会についての注解
『スペクタクルの社会』イタリア語版第四版への序文
スペクタクルの社会についての注解 訳注
『スペクタクルの社会』イタリア語版第四版への序文 訳注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
16
前作の後をついで書かれた続編で、スペクタクル的な支配の更なる進展を、前作では意外と手薄かったメディア・言説編制からさらにえぐって面白い。歴史が消失し、全ての事件は劇場の中のただのイベントと化す。それと共に詐欺師的な似非専門家、お喋りなメディアスターが人々の権威となり、またすぐに忘却される。最近だと小保方事件は典型例だろう。このような専制は、当然その白痴的な内部の外側に、真の危険を温存し続けるが、それすら隠すこともせず、表層の言い訳のレベルで切り抜けてしまう。もはや全ては表層だからだ2014/04/24