内容説明
偏っていますが、何か?改憲、日本会議、報道統制、ヘイトスピーチ―戦争前夜の“いま”を撃つ。木村草太、武田砂鉄、山口智美、是枝裕和、松尾貴史、辺見庸ほか、時代を問う熱い論考を収録。
目次
1 偏っていますが、何か(偏っていますが、何か;権力が報道に介入するとき ほか)
2 希望の未来を連れてくるために(始める、希望のために;抗う憲法学者 ほか)
3 新しい「戦前」に抗う(政権に寄り添う「教科書」;ヘイトスピーチ考―差別を阻んだ街 川崎・桜本 ほか)
4 「恐怖」が社会を侵食するとき(「反核平和七〇年の失敗」?―日本会議広島の八月六日集会;日本会議を追う ほか)
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこしま
30
偏っていますが、何か?◆中立という名を使い、報道に対して圧力を掛ける政府に対し、屈するなという姿勢。高市総務相の電波停止発言は放送法第1条2項「(略)真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する」を逸脱してます。◆中立の対義語は多様性です。これはヘイトスピーチでも衝突します。「在日は帰れ」「ゴキブリ死ね」、表現の自由とは思えません。むしろナチスのユダヤ人差別と同じです。ナチスはユダヤ人だけでなく障がい者、同性愛者の方々も弾圧しました。『差別=戦争』でしょう。↓つづく2016/06/29
カープ坊や
12
大手マスコミ なかなか報道しない問題。 改憲、日本会議 ヘイトスピーチなどの問題をしっかりとした取材をもとに解説。 神奈川新聞の報道姿勢には大アッパレ!!!!! VOL.3が待ち遠しい。2016/06/29
takeapple
11
読んでいると怒りがこみ上げてくる。その怒りをバネにこの時代を乗り切らねばならないのだろう。三浦瑠璃は、ジャパンハンドラーなのにまともに見える部分があるということが、怖い時代だね。立憲主義は、少数者の権利を守るためだけではなく、権力者を縛り、多数だろうと少数だろうと、権力を持たざるものを守るためにあるということを忘れてはいけない。2017/04/24
バーバラ
11
神奈川新聞のシリーズ書籍化第2弾。想田和弘、金平茂紀、是枝裕和、木村草太、小林節各氏等リベラル派の面々のインタビューはどれも読み応えががあった。その中で目を引いたのが国際政治学者の三浦瑠璃氏。右派の論客と色眼鏡で見ていたが自民党改憲草案に厳しい目を向けていて、やはり自分とは立ち位置の異なる人の意見も聞いてみるべきと思った。ヘイトスピーチ、歴史教科書、日本会議等に関しても丁寧な取材で中身を掘り下げてあり、社会の奥底に潜むものについて読者に考えさせる内容となっている。早くも第3弾が待たれるおすすめの1冊。2016/06/27
踊る猫
9
今、本当の意味で「反骨精神」を保ち続けているジャーナリズムとは何処にあるのか? 本書を読み、私が時代の潮流に対して抱いていた違和感を平たく言葉に置き換えて説明されているのを知り、改めて問い直しを迫られた。不偏不党の精神などあり得ない、あるのは「反権力」のジャーナリズムなのだ……その意味では本書は「反骨精神」の産物である。それは間違いがないのだけれど、個人的にはアベノミクス効果の欺瞞についても説明が欲しいな……とないものねだりをしてしまうのはまたひねくれた読み方だろうか。しかし刺激的な一冊であることは確かだ2016/06/30