古典文庫<br> 夜警

古典文庫
夜警

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  • サイズ B6判/ページ数 194p
  • 商品コード 9784329003102
  • NDC分類 943

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nami

14
語り手の口調は戯曲宛らで、この世界を舞台上に、その上で踊らされる人間たちを操り人形に準えている。「夜警人」でさえ語り手でないのだとしたら、語り手とは一体誰なのだろうと不気味に思う。国や社会が決めたルールに倣うことが正しくて、多くの人が「良い」と言うものが芸術だと言われるのなら、「自分の考え」を掲げることは狂気に等しく、嘲笑の的になる。それはいつの世も同じで、だからこそ人間なのかもしれない。自分の目で見て、考えなければ気付かぬうちに本当に操り人形になってしまう。難解過ぎて疲れた。2024/08/25

てれまこし

9
永らくシェリングが書いたと思われていた小説。バフチンがグロテスク・リアリズムの作品として挙げていたが、ラブレーやセルバンテス、スターンとはかなり雰囲気が違う。ロマン主義、しかもノヴァーリスの正のロマン主義とは対照的な負のロマン主義で、笑いの要素もなくもないが巨人主義的悪魔の笑い。世界の奥底に無を見るニヒリズムが濃厚で、笑殺して再生するという民衆的笑いよりは神経質な詩人芸術家の笑いに近い。救済を求めつつもう笑いの救済を信じてない。物質的・肉体的原理への貶めと高みへの憧憬のあいだを揺れ動く分、より現代的かも。2022/12/18

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