文学空間

文学空間

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  • サイズ A5判/ページ数 424p
  • 商品コード 9784329000989
  • Cコード C0095

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

31
ここでの「文学」は自己表現としてのそれではなく、文学自身に意識的で文学自体を表現した文学という面倒くさい(褒め言葉です)類の「文学」。だから、逆立ちをして後ろ向きに進むようにしてしか入れないまさに「文学空間」(けれども別世界ではない)が広がる(あるいは閉じる)。マラルメ、カフカ、リルケ、ヘルダーリン、ブルトン、ルネ・シャール、ゴッホ、セザンヌ、マルロー等に触れながら、「死」を巡って彷徨せざるを得ないのは、やはり自己表現ではない文学の宿命だろうか。私は自分の死を経験する(生きる)ことはできない。2017/08/05

なめこ

5
読むのに1ヶ月かかった!1ヶ月かけて読んでも正直ほとんどよく分からなかったけれど、他者を、他者として語るものとしての文学のあり方、文学作品と作者、読者との関わりなどこれまで方々で聞きかじり読みかじりしていた議論が登場し、先人たちはこんな本を読みこなしてきたのかとおもうと果てしない道のりのようにかんずる。2015/11/29

肉欲棒太郎

2
始めから終わりまでの全文章、一文一文が、どれを切り離して読んでみてもそれ自体で成立するだけの存在感(霊感?)を放っている。主にカフカやマラルメ、リルケを題材に文学、詩作、芸術作品について論じられているものの、ベースにあるのがハイデガーであることは明白。いまだかつてこんな本は読んだことがないと言えるほどの強い衝撃を受けた。2017/08/22

雁林院溟齋居士(雁林)

2
これは凄い本だ。批評において間違いなく超えられない壁を形成している言わば極北に聳える高峰である。超絶して難解であるが、正に存在論的文芸批評とも言うべき書物であり、「死」についての最も根源的な思索の成果でもある。「私」を超越したものとしての「非人称の死」は、真理の外にあるもの、否定無き不在の現前として「c'est」という語そのものである文学作品は共に、「何も無い」という事が「ある」という絶対的外部としての「もうひとつの夜」に関っている。道具立てはかなり依拠しつつ、ハイデガーと対決しているのも面白い。2013/03/28

転校生

1
永遠の課題図書2017/11/13

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