出版社内容情報
復活するサド、無削除版。「猥褻文書」として国家権力によって発禁された初版。いま甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
℃
2
社会で一般に善とされるものを徹底的に破壊していくように描かれていました。なぜそれが必要だったのかはわかりませんが、人間がこれまで作り上げてきた宗教や法といった秩序を嘲笑うかのように混沌へと導いていき、それが一つの価値観としてあることがなぜおかしいのか?と問われているようでした。2014/01/23
コウみん
1
澁澤龍彦の代表作と言ってもいいのか分からないが、澁澤の世界観を分かるには十分だと思う。 欲望と理性が混ぜている感じがしたが、ちょっと嫌なものもあった。 サド裁判の時にわいせつ文書と言われた本だが、そうでもなかった。
ぜっとん
1
悪徳、栄えまくり。この物語は弱者に生きてはならないと云うかのようだが、これは多分違う。悪と善の表裏なんていう陳腐なものを語ろうとしているわけでもない。ここにあるのは、自らを善と信じることの傲慢さと、常識や大衆というものに覆い隠されたその傲慢な善への復讐である。個人的には目を刳り貫いて手をもいで耳を潰して放り出すシーンとか、雷が口から入って玉門から出てくるシーンが好きでした。美しい反逆と、燃えるような優しさの本だ。2014/01/09
Michaele
0
我を忘れて読み耽った後、ふと常識が戻ってきてすごく気分が悪くなった。兎に角悪徳の極みを想像し尽くした感がある。2015/02/14
-
- 和書
- 富士山信仰の歴史と文化