内容説明
「日本の英語」は、どこでボタンをかけ違えたのか。軽妙な筆致で綴る、知的刺激に溢れる好エッセイ集。独自の着眼点で、“来し方”をふり返り、“行く末”に思いをめぐらす。紡ぎだされる「記憶の記録」。著者渾身の書き下ろし。
目次
1(教養;翻訳;留学;著作権)
2(パラグラフ;文法;英文解釈法;スピーキング)
3(ニュー・クリティシズム;パブリッシュ・オア・ペリッシュ;講義・ノート;読書会)
4(悪魔のことば;辞書;ことわざ;英語の先生)
5(夏目漱石;萬年筆;知識・思考・創造;『英語青年』)
著者等紹介
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県生まれ。東京文理科大学英文科卒業。お茶の水女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mizuki
28
これまでの日本人がどのようにして、外国の文化を取り入れてきたのかが、分かりやすく説明されていました。英語が話せるようになるためには、日本語の土台をしっかり作らなければいけない!それなのに、まだ日本語を学んでいる途中の小学生に英語を教えるなんてと、著者の意見もしかり。昔からの教育のやり方を、頑なに変えようとしないのは、文部科学省のせいかしら⁇2018/12/23
羽
23
著者の追悼展示で気になった本書。“これまでの百年に、英語、英文学がなしとげたことをふり返ってみる”とあとがきにあるように、日本の英語の盛衰や英語教育の変遷などをまとめたエッセイ集。日本人が英文解釈が苦手な理由、夏目漱石の『文学論』はなぜすごいのか、OEDがなぜ有名なのか、外国語学習の効能など、目を開かれる話が多数ありました。著者は大学の英文学科の減少を懸念していましたが、たとえ英文学の人気が衰退しても、それを学んだ者として、わたしは一生付き合っていきたいと思いました。2020/08/07
kubottar
21
他言語を学ぶと別の切り口でモノを観ることが出来る。2021/06/06
Riopapa
13
人生の一時期を英文学にかけ、英文学を捨てて、英語教師として生きている人間としては、なんとも言えないほろ苦い内容であった。漱石の偉大さにあらためて感服。2018/05/26
rikako
13
もっと学問的な話を期待していたが、著者のいいたことをつらつらと書いているだけの本。 もうご高齢ですからね、仕方ないのかも。2018/03/20