内容説明
16世紀のシェイクスピアから21世紀のアンドルー・モーションまで。名詩15篇が織り成す、甘美な、ときに切ない、さまざまな愛のかたち。時代を越えて心に響く愛の詩15選。
目次
君を夏の一日にたとえてみようか(ソネット18番)(ウィリアム・シェイクスピア)
輝く星よ(ジョン・キーツ)
ゲイズフォード・ストリート(アンドルー・モーション)
貴婦人たちに用はない(トマス・キャンピオン)
恥じらう恋人へ(アンドルー・マーヴェル)
蚤(ジョン・ダン)
恋人(ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモット)
君を行かせはしない(ロバート・ブリッジズ)
シーリアへ(ベン・ジョンソン)
狩りをしたいのは一体誰だ(トマス・ワイアット)
驚異の年(フィリップ・ラーキン)
彼女のご主人(テッド・ヒューズ)
女の繰り言(ロバート・ブラウニング)
接吻(ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ)
ドーヴァー海岸(マシュー・アーノルド)
著者等紹介
齊藤貴子[サイトウタカコ]
上智大学大学院文学研究科講師。早稲田大学および同大学エクステンションセンター講師。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程修了。専門は近代イギリス文学・文化で、主として詩と美術の相関を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
75
16世紀から21世紀までのイギリスの代表的詩人の代表的恋愛詩15篇。この本のいいところは、原文も載っているところ。翻訳ではどうしてもわからない押韻や言葉のリズムが分かるだけでなく、翻訳詩と読み比べることもできる。また、解説も丁寧で、とても参考になる。トマス・ワイアット、シェイクスピアの詩の安定した美しさ。ラファエロ前派の画家としても有名なダンテ・ゲイブリエル・ロセッティが詩集を発表した顛末がなんともすさまじい。 2019/09/20
Shun'ichiro AKIKUSA
3
女性の詩が一編もない。それはさておき、モーションの詩が気に入ったのだが、just the sandal-patter / of silent keys.の訳で「サイレント・キーがパタパタと/音を立てるだけ」なのはsandalを訳し落としているのではないか? (恋人がヘッドフォンで聞いている音楽のサイレント・キーがサンダルの足音という意味では?)まちがっていたらすみません。2020/01/06
もち
1
筆者のジェンダーバイアスがかなりあるので、そこに閉口してしまったが、それ以外には解説が丁寧でイギリス文学にそこまで明るくなくともついていけたし、作品を通り一遍でなく理解できたように思えるので満足だ。2022/03/27
ぴよ子
0
最近、鷗外の『ヰタ・セクスアリス』を読んだ影響もあったか、言葉も場所も変わっても、性愛とは人の内に等しくあると再認識した一冊。 詞の翻訳は難しくて、人の訳した文はすっと入ってこないし、だからといって訳文なしではまだまだ厳しい。まずはラーキンあたりから、英詞を英詞として楽しめるよう、勉強してみたい。2020/05/12
茶々吉(パーソナリティ千波留)
0
みのおエフエム「デイライトタッキー」内、「図書館だより」で紹介。(2019/8/7放送) 詞華集とは、詩文の美しいものを選び集めた本、アンソロジーだそう。 16世紀シェイクスピアから21世紀のアンドルー・モーションまで、イギリスの恋愛名詩15篇を英文と日本語訳で紹介、解説したもの。私が知っていたのはシェイクスピアのみだった。 これのどこが恋愛詞?と首を傾げたのはテッド・ヒューズの「彼女のご主人」。炭鉱で煤まみれになって働く夫とその妻を描いた詞。著者斎藤は「冷めきった愛」ということで選んだそうだ。なるほど。2019/08/05