出版社内容情報
「人は誰もが小さな不滅の火花を内に秘めている」「自分の失敗を語るのに躊躇はしない」―― 格差と不安の時代から語りかける名探偵ホームズのせりふを通して全作品を紹介。
「人は誰もが小さな不滅の火花を内に秘めている」―― 格差と不安の時代から語りかける名探偵ホームズのせりふを通して全作品を紹介。
「人は誰もが小さな不滅の火花を自分の内に秘めている」「自分の失敗を語るのに躊躇はしない」「忍耐力のある者が存在すること、それ自体が、忍耐力のない世の中において、なにより貴重な教訓となる」「学校は灯台だ、未来を照らす灯し火だ」― 名探偵シャーロック・ホームズが口にしたせりふには今の日本人が読んでも共感できるものが少なくない。ビクトリア朝末期のイギリスは伝統的な価値観が廃れ、貧富の差が拡大し、世の中には「煩悶と悲嘆と哀願の声」が満ちあふれた。頻発する戦争と慢性的な不景気の中、斜陽化する大英帝国に漠然とした不安が生まれ、確たる将来が見えない自信喪失の時代。その中で自身も波乱に満ちた生涯を送った作家ドイルが、生きるのに必要な知恵と勇気、さらには他者に対する寛容や博愛の精神を込めて書いたホームズの名せりふを全60作品の原文から引用し、現代も輝きを失わないその魅力を語る。
はじめに
序章 人は誰もが小さな不滅の火花を、自分の内に秘めている
第一章 『緋色の研究』
お互いの欠点を知っておくのがよい。
自分の失敗を語るのに躊躇はしない。
世の中、実際になにをしたのかではなく、なにかをしたと皆に信じてもらうことが重要だ。
……ほか
第二章 『四人の署名』
仕事それ自体、すなわち自分の特殊な能力を発揮する場を得る喜びこそが、最高の報酬だ。
幸運を活用しないのは、怠惰そのものである。
なにごとも当然のことだと決めつけてはならない。
……ほか
第三章 『シャーロック・ホームズの冒険』(短編集)
平凡なものほど不自然なものはない。 「同一人物(花婿失踪事件)」
明白な事実ほどあてにならないものはない。 「ボスコム谷」
窮地を脱するには、気力あるのみだ。 「オレンジの種五つ」
なにが賢明なのかを悟るのに時間がかかってしまったが、なにも悟らないよりはましだ。 「唇のねじれた男」
頭のよい者が悪事に知恵をしぼれば、事態は最悪となる。 「まだらの紐」
……ほか
第四章 『シャーロック・ホームズの思い出』(短編集)
いかなる事実でも、漠然とした疑惑よりはましである。 「黄色い顔」
正義か否かを確かめるのは、万人に共通のビジネスである。 「背中の曲がった男」
謙遜を美徳だとは思わない。 「ギリシャ語通訳」
学校は灯台だ、未来を照らす灯し火だ。 「海軍条約」
ぼくの人生はまんざら無益でもなかった。 「最後の事件」
……ほか
第五章 『バスカービル家の犬』
きみ自身は輝かないが、他人を輝かせることはできそうだ。
することが裏目に出るほど、人は発奮するものだ。
自分を見失うほどに動揺したはずなのに、よくぞ平静さを取り戻したね。
……ほか
第六章 『シャーロック・ホームズの帰還』(短編集)
名声など、かくのごとしだ。 「空き家」
人知で考案できたことは、人知で解明できるものだ。 「踊る人形」
絶望の淵にある淑女に助けを求められたら、紳士たるもの、危険を顧みるべきではない。
「チャールズ・オーガスタス・ミルバートン」
シャーロック・ホームズ氏が欠けている。 「金縁の鼻眼鏡」
特別な知識や能力を備えていると、簡単な説明よりも難しい説明を求めたくなる。 「アベイ農園」
……ほか
第七章 『恐怖の谷』
確かにきみは自分自身を見くびっているね。
時代に先走ると、往々にして損をすることがある。
自分の考えが正しいと得心できるまで、口外せずに熟慮する。
……ほか
第八章 『最後のあいさつ』(短編集)
苦悩と暴力と恐怖は、なにゆえに結びつくのだろうか。 「ボール箱」
金も名声も得られないが、解決してみたいのだ。 「赤い輪」
超常現象だと結論する前に、通常の現象だと説明できないか、調査しなければならない。 「悪魔の足」
明日になれば、ただの嫌な思い出にすぎなくなる。 「最後のあいさつ」
嵐が去ったあと、照り輝く光の中、もっと美しくて素晴らしく、たくましくなった国がそこにはあるだろう。
「最後のあいさつ」
……ほか
第九章 『シャーロック・ホームズの事件簿』(短編集)
ある種の愛想のよさは、粗野な者たちの暴力よりも危ういものだ。 「高名な依頼人」
正面から猪突猛進するのが、最善の策ということもある。 「三人のガリデブ」
あとから知恵者になるのは簡単だ。 「ソア橋」
自然に打ち勝とうとすれば、往々にして自然に打ち負かされるものだ。 「はう男」
忍耐力のある者が存在すること、それ自体が、忍耐力のない世の中において、なにより貴重な教訓となる。
「ベールの下宿人」
……ほか
終章 勉強に終わりはないね、ワトソン。
あとがきにかえて
【著者紹介】
諸兄 邦香 (もろえ くにか)
1963年、東京に生まれる。証券会社を退職して著述・翻訳業。辞典や学習書の執筆を手がける。東京大学法学部卒。本名は田中立恒(たなか・りつこう)。シャーロック・ホームズ関連書に「シャーロック・ホームズ 大人の楽しみ方」(アーク出版、2006年)。同オーディオブック版(パンローリング、2009年)。
内容説明
「人は誰もが小さな不滅の火花を自分の内に秘めている」―格差と不安の時代から語りかける名探偵ホームズのせりふを通して全作品を紹介。
目次
序章 人は誰もが小さな不滅の火花を、自分の内に秘めている。
第1章 『緋色の研究』
第2章 『四人の署名』
第3章 『シャーロック・ホームズの冒険』(短編集)
第4章 『シャーロック・ホームズの思い出』(短編集)
第5章 『バスカービル家の犬』
第6章 『シャーロック・ホームズの帰還』(短編集)
第7章 『恐怖の谷』
第8章 『最後のあいさつ』(短編集)
第9章 『シャーロック・ホームズの事件簿』(短編集)
終章 勉強に終わりはないね、ワトソン。一連の教程の最後に最大のものがある。
著者等紹介
諸兄邦香[モロエクニカ]
1963年、東京に生まれる。証券会社を退職して著述・翻訳業。辞典や学習書の執筆を手がける。東京大学法学部卒。本名は田中立恒(たなかりつこう)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あーさん☆GWは墓参りをハシゴしました。暑くてバテました。
アイアイ
neimu
ももこ
ぽんとぽこ
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