出版社内容情報
シェイクスピア喜劇の若者たちはなぜ出会ってから数時間後に電撃的に結婚するのか?直前まである登場人物に恋焦がれていたにもかかわらず、なぜ突然大団円で恋焦がれていた者とは別人と結婚してしまうのか?シェイクスピア時代の医学書や法律から最新の社会史研究まで幅広く引用しながら、シェイクスピア本来の面白さを、当時の文化的、社会的な背景からスリリングに解き明かす。シェイクスピア喜劇は単なる恋愛話、結婚話ではない!
内容説明
シェイクスピア時代の観客はお芝居を「聞いて」どのような劇世界を作りあげていたのか。社会史、文化史の成果をふんだんに取りこみ、シェイクスピアの喜劇世界を大胆不敵なシミュレーションで再現する。
目次
プロローグ 「お芝居を聞いて心を陽気に」―シェイクスピアの芝居小屋
第1章 「妻の死肉を食らった男の物語」―『あらし』のシミュレーション
第2章 「結婚は罪を犯さないための救済」―婚姻契約のシミュレーション
第3章 「永遠の契約を交わすにはあまりにも」―結婚と離婚の制度的背景
第4章 「恋人と狂人の脳は煮えたぎる」―夏の夜の妄想と錯覚
第5章 「支配されるが支配することはない」―階層の巨大な壁
第6章 「広大な低層ビルの上にそびえ立つ摩天楼」―シェイクスピア喜劇の階層モデル
エピローグ 「私のあらゆる不動産、家屋、世襲財産のすべて」―シェイクスピアとプロスペローの夢
著者等紹介
中野春夫[ナカノハルオ]
学習院大学教授。東京大学大学院人文科学研究科英語英米文学専攻博士課程単位取得退学。埼玉大学教養学部助教授を経て現職。専門はイギリス演劇、イギリス・ルネサンス文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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