出版社内容情報
「英詩はなぜあんなに嬉しいのか?」「なぜ偉そうに断定するのか?」「なぜ声に出して読んではいけないのか?」「常識」ゼロからの英詩入門。
内容説明
代表的な英米の詩を取り上げてほとんどの「常識」をゼロ戻し英語の読み方、詩の読み方をやさしくていねいに解説。現代において「詩的」とはどういうことなのかを考える。
目次
序章 あらゆる詩は外国語で書かれている
第1章 英詩は嬉しい
第2章 なぜ英詩は声に出して読んではいけないのか
第3章 英詩は失敗する
第4章 英詩は問答する
第5章 なぜ英詩は偉そうに決めつけるのか
著者等紹介
阿部公彦[アベマサヒコ]
1966年、横浜市生まれ。東京大学文学部助教授。現代英米詩専攻。東京大学大学院修士課程修了、ケンブリッジ大学大学院博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
120
ぽつぽつと英書を読んでいると、いつも詩を読み飛ばすことになる。邦訳ですら、詩の部分はいつも気がのらない。最近、よく教育番組でお見かけするこの方が書いておられるということで、読んでみた。というか、取り組んでみた。ソネットとはそういうことかと今更の理解。シェイクスピアは、跪いて上をむいて歌うしたり顔が浮かぶ。ワーズワースが讃える自然からは湖水地方が浮かんでくる。20世紀になってからは、なんとも不穏な感じが強くなっていた。あくまでも、阿部氏の紹介したものに限ってだが。ワーズワースがダントツだったなぁ。2020/08/14
ケイ
94
再読。前回読んでから2年。何となく前より味わえたなと思う。シルヴィア・プラスの詩から放たれる生きる苦しさも生々しく、シェイクスピアのリズムも優雅に響いてきた。 シェイクスピアのヘンリー八世を自分なりに英語で読んだ事もあり、シェイクスピアの劇は詩だというのを実感もした。一つだけ物申したい。この本から、私はシェイクスピアのソネットに同性愛的イメージを持ったのだが、今は違うと思うのだ。ということは、この入門書は阿部氏の解釈の書だと読む必要があるのだと思う2023/01/19
さっちゃん
15
詩を原文で読むことが一番の理解の仕方なのだろうけれど難ありの私にはなかなかハードルが高い。この本のように原文と訳文を対比させながら詳しく説明してもらえると腑に落ちる。しかしソネットなどの意味やキリスト的比喩など予備知識もなければ英語で詩を理解はできないし、訳したものを読むだけでは原文のもつ微妙な言い回しなどのニュアンスを知ることもできない。というわけで独学で英詩を楽しむというのは相変わらず非常に難解なままなのだ。2015/09/08
月夜乃 海花
13
ずっと実家にあり、積ん読してました。 日本の詩とはまた違って、英詩も良いものですね。ただ、使われている英語が古かったり、文化の違いがあったりと色々と難しいものもありますが… 英詩の入門書としては良いのかなと思います! 興味のある詩人がいっぱい見つかったので。 正直、解説を読んでも頭が?だらけですが、詩だから完全にわかる必要もないのですね。2018/07/29
viola
12
詩に悪戦苦闘しています。。どうして詩ってあんなに訳しにくいの。カッコがどこまでなのかとかも分かりにくいし、とにかくセンスもないようです。でも論文を書かなきゃいけないし(切実)どぉぉしても分かるようになりたい、詩。英詩の「読み方」ではなくて「わかり方」です。こんなにも分かりやすい英詩入門書が存在していたなんて!ものすごく分かりやすいです、分かりやすすぎます。何となくですが、詩の解釈がしやすくなった気が。こういう本を書ける人って格好いい!こういう人になりたいものです。どうして分からない気持ちが分かるんだろう。2011/05/29