出版社内容情報
著者が東京大学で行なった20年近くの講義に基づいて書き下ろした『講義アメリカ文学史』全3巻に収録できなかった、新しい作家や重要な作家、そしてアメリカ文学の新たな潮流を詳しく扱う。
目次
ジョン・ウルマン―「内なる光」に従って、奴隷制度に静かに抗議した「クエーカー聖人」
アンブローズ・ビアス―黒澤明「羅生門」、芥川龍之介「薮の中」、アンブローズ・ビアス“The Moonlit Road”/忘れられた過去の作家、ジャーナリスト?
サラ・オーン・ジュエット―過去のニューイングランドの残光の中で新しい女性を描いたローカル・カラー女性文学者
F.マリオン・クロフォード―アメリカの大衆に夢と娯楽を提供した比類なきメロドラマ作家の栄光と悲惨
シャーロット・パーキンズ・ギルマン―恐怖のゴシック小説、女性解放を訴えるフェミニズム小説、精神病療法を告発する抗議小説、信頼できない語り手の前衛的な小説
エレン・グラスゴー―アメリカ南部の逞しいストイックな女性を支える「鉄の鉱脈」
アプトン・シンクレア―社会の不正・腐敗を摘発し、告発する良心派の文学者
T.S.エリオット―国籍を越えて20世紀詩を代表するアメリカ生まれのイギリスの詩人
ヘンリー・ミラー―「性」を「生」の「本質的な事実」として賛美し、描写・再現する20世紀のソロー/ホイットマン
パール・S.バック―ノーベル文学賞授賞は「過去の失敗」といわれながらも、全世界145ヵ国で翻訳・愛読されているアメリカの女性作家〔ほか〕
著者等紹介
渡辺利雄[ワタナベトシオ]
1935年(昭和10年)台湾新竹市生まれ。1954年、新潟県両津高校卒。1958年、東京大学文学部英文科卒。1961年、同大学大学院修士課程修了。1962年から64年まで、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。東京大学文学部教授、日本女子大学文学部教授・文学部長などを歴任。現在、東京大学名誉教授、昭和女子大学特任教授。専門はアメリカ文学(特に、マーク・トウェイン、ヘンリー・ジェイムズなどのリアリズム文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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