出版社内容情報
生誕 200周年――天才作家は、いまが最も新しい.
19世紀アメリカ・ロマン派作家ポーは、豊饒なる可能性をもつ文学作品を次々
と生み出した先覚者だった。ボードレール以降、フォークナーやナボコフから
江戸川乱歩、大江健三郎に連なる文学史はもちろん、ドビュッシーから
ルー・リードにおよぶ音楽史、ビアズリーからシュヴァンクマイエルにおよぶ
視覚芸術史まで、その影響力は圧倒的だ。
本書は、日本ポー学会が総力を結集してその多彩なスペクトラムを掬い取り、
新世紀の作家像を描き出した必携書である。
第I部:ポーとは何者か?
ある作家の生涯 (八木敏雄)
英米文学とポー (伊藤詔子)
日本に見る受容 (井上 健)
批評研究の系譜 (巽 孝之)
第II部:ポーのジャンル横断
詩 (飯野友幸)
演劇 (常山菜穂子)
批評 (大串尚代)
小説
1)怪奇幻想小説<ゴシック・ロマンス> (西崎 憲)
2)本格推理小説 (笠井 潔)
3)空想科学小説 (野口啓子)
4)風景庭園小説 (三浦笙子)
第III部:ポーと文化史
視覚芸術 (高山 宏)
音楽 (青柳いづみこ)
疑似科学 (宮川 雅)
写真表象 (内田市五郎)
第IV部:現代人ポー (鴻巣友季子)
コラム:(山本 晶・辻 和彦・池末陽子)
第V部:ポー研究注釈付書誌&年表:(西山智則・河野智子・辻 祥子・塩田 弘)
後記、索引、執筆者紹介
内容説明
19世紀アメリカ・ロマン派作家ポーは、豊饒なる可能性をもつ文学作品を次々と生み出した先覚者だった。ボードレール以降、フォークナーやナボコフから江戸川乱歩、大江健三郎に連なる文学史はもちろん、ドビュッシーからルー・リードにおよぶ音楽史、ビアズリーからシュヴァンクマイエルにおよぶ視覚芸術史まで、200年におよぶ影響力は世界的であり、余人の追随を許さない。日本ポー学会が総力を結集してその多彩なスペクトラムを掬い取り、新世紀の作家像を描き出す。
目次
第1部 ポーとは何者か?(ある作家の生涯(一八〇九‐一八四九)
英米文学とポー
日本文学とポー ほか)
第2部 ポーのジャンル横断(詩 機械的な愉楽―アメリカ詩人ポー;演劇 演劇人ポー;批評 論争家ポー ほか)
第3部 ポーと文化史(視覚芸術 ただ絵を論じても仕方がない―ポー文学のヴィジュアリティ;音楽 音楽になったポー―クロード・ドビュッシーとフランス近代を中心に;疑似科学 科学と疑似科学の境 ほか)
著者等紹介
八木敏雄[ヤギトシオ]
1930年生まれ。成城大学名誉教授
巽孝之[タツミタカユキ]
1955年生まれ。慶應義塾大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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