フォークナーのアメリカ幻想―『アブサロム、アブサロム!』の真実

フォークナーのアメリカ幻想―『アブサロム、アブサロム!』の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 518p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784327472184
  • NDC分類 933
  • Cコード C3098

出版社内容情報

『アブサロム、アブサロム!』のチャールズ・ボンは本当に黒い血ゆえに弟ヘンリーに殺されるのか?饒舌なローザが言葉にできなかったこととは何か?フォークナーが幻視した《アメリカ》を、『アブサロム』を中心に解明する。

内容説明

『アブサロム、アブサロム!』のチャールズ・ボンは本当に黒い血ゆえに弟ヘンリーに殺されるのか?饒舌なローザが言葉にできなかったこととは何か?「“わたし”+世界をひとつの文章で表わしたい」というフォークナーの大望は、監獄の窓の「小さなわたし」がアメリカと、さらに世界と時空を超えて“ジョイン”する奇跡と、大西洋の海を見つめる魂によって成し遂げられる。フォークナーが幻視した“アメリカ”を、『アブサロム』を中心に解明する。

目次

ヨクナパトーファへの旅
第1部 『アブサロム、アブサロム!』の真実(数枚のタブローカら『アブサロム、アブサロム!』が始まった;愛と言葉の伝染;「あったかもしれない」真実 ほか)
第2部 記憶と家族幻想のエクリチュール(結婚の撹乱;墓石と手紙と遺書;「わたし」を語るローザ・コールドフィールド ほか)
第3部 アメリカ幻想―『アブサロム、アブサロム!』の真実ふたたび(サトペンの「重罪」とは何か?;贖罪はいかにして可能か―十字架刑の子供たち;姉妹の贖罪と兄弟殺し ほか)
ボーダーランドの「アメリカ」文学

著者等紹介

藤平育子[フジヒライクコ]
1969年、東京都立大学大学院修了。岐阜女子短期大学、愛知教育大学、東京学芸大学、成城大学教授を経て、2002年より中央大学文学部教授。1996年1~6月、ウィスコンシン州カーセッジ・カレジ客員教授(アメリカ文学)。2001年4月~2005年3月、日本アメリカ文学会東京支部支部長。2007年4月より、日本ウィリアム・フォークナー協会会長。主著に、『カーニヴァル色のパッチワーク・キルト―トニ・モリスンの文学』(學藝書林、1996年。1997年度日本アメリカ学会清水博賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷるいち

7
「アブサロム」をより詳細に知りたくて手に取った。時系列の整理や、特に難解だった部分の解説は非常に役に立ったが、それ以外は最悪。あまりに読み方が偏っており政治的。特に過剰にフェミニズムからアブサロムを論じており、確かにその読みはあり得る、とまでは思うものもあったが、時代性も考えて、その読みが成立しうる、蓋然性はまったく感じられなかった。バルトやイーグルトンを持ち出すまでもなく、文芸批判は、そのnatureとしてそういう読みも一定許されるが、やりすぎでしょ。2020/07/11

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