内容説明
「もっと上」を目ざす人のための英文解釈参考書。大学受験レベルの基本文法を習得した人が、さらに力をつけ、多様なジャンルの英語の文章を読み解いていけるようにするための英文解釈参考書。長く支持されている伊藤和夫『英文解釈教室』の伝統を引き継ぎ、英文を読み解くための思考プロセスを重視するアプローチを堅持しながら、文法と情報構造の関係やテキストの構成法についての英語学の知見をさらに盛り込みました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
最近の英語の参考書の中では私のような年代のもの(原仙作先生や朱牟田夏雄先生のものに親しんだ)にも楽しめました。というのは最近の英文読解の参考書の文章は比較的読みやすいものから選ばれているものが多い気がしていました。この本では様々な分野の文章がおさめられている割には骨があるというか結構さらっと読めるものは少ないように感じました。2019/12/12
のんぴ
41
長く複雑な構造の英文を読んで、文が終わったと思ったら、さにあらず途中で唐突に現れる動詞の主語はどれ?というようなことがあるのですが、そのような場合、どのようにほぐして見極めるべきか、論理的に説明されています。その動詞はSVCなのか、SVOなのか、SVOCなのか、パターンを予想しながら長文を読まなければならない。その上で、話に出てきた事象は倒置をとった方が、読み手の頭に入りやすいので、例えば補語が前にきたりする。私には難しく、まず訳文を読んでからじゃないと、何の話題かすらつかめない英文。がんばって読んだ。2022/06/16
サアベドラ
23
英語の文献や雑誌記事を読む際に誤読しやすい語法や構文を、様々なテキストを使ってトレーニングする本。2019年刊。著者は元予備校講師で現在は大学教員。取り上げられている例文は19世紀の文章からtwitterまで幅広い。対象者は大学受験を終えて原書や雑誌・新聞記事を読み始めたぐらいの人。伊藤和夫『英文解釈教室』あたりの知識は持っていないときついかもしれない。内容が語法と構文に偏っており、文章構成や論理展開に関しては最終章以外ではあまり取り上げられていない。個人的には破格のところが参考になりました。2019/12/08
Nobu A
13
北村一真著書2冊目。参考書を読了著書として数えるか一瞬逡巡したが追加。理由はそんじょそこらの参考書とは一線を画す為。名詮自性のタイトルから粋。加工なしの英文学を始め、様々な文章を抜粋し懇切丁寧な解説。読解力は測定も向上も頭の中が見えないだけに難しい。結局は和訳に頼ってどこまで理解出来たか確認作業なしには正確な読解力測定は不可能。また、例えば、受・能動態の違いは単なる視点だけでなく、何故使用されているかまで分かると読解力も深まる。他方で、邦訳も洗練されているだけに、瞬時にどこまで理解すべきかは迷うところ。2021/06/06
イボンヌ
10
ネットで紹介されていたので、苦手な英文読解の本を読んでみました。 多数の例文を例題として分析してあるのですが、その例文のどれもが内容も素敵な物です。カズオ・イシグロ氏の小説、オバマ大統領の演説、トマ・ピケティの書籍など、最新のものも例文として乗っています。 2021/04/03