出版社内容情報
翻訳はいかにあるべきか?理想的な翻訳とは何か?
意訳と直訳、自由訳と逐語訳、詩的な訳と散文的な訳、慣用句を使った訳と状況説明的な訳…翻訳するにあたっては、こうした対立項のいずれを選べばいいのか?あるいは両者をどのように折り合わせれば、質の高い訳文が出来上がるのか?名翻訳家が、広く日本語と英語を比較しつつ、翻訳一般について考えた、翻訳指南書の決定版!巻末に「演習問題」も収録。
著者紹介
中村保男(なかむら やすお) 翻訳家、評論家。1931年、東京生まれ。東京大学英文科卒業、同大学院修士過程終了。主な著書に、『英和翻訳表現辞典』『続英和翻訳表現辞典』(研究社出版)、『翻訳の秘訣 理論と実践』(新潮選書)、編書に『日本への遺言―福田恒存語録』(文春文庫)、訳書にコリン・ウィルソン『アウトサイダー』(集英社文庫)、『賢者の石』(創元推理文庫)、G・K・チェスタトン『ブラウン神父』シリーズ全5巻(創元推理文庫)、アガサ・クリスティ『漂う提督』( ハヤカワ・ミステリ文庫)、J・G・バラード『結晶世界』(創元推理文庫)など多数。
序
第1章 日本語的なもの、英語的なもの
1.日本語と英語――その根本的相違点/2.直訳不能の文化/3.日本語の柔軟性/4.和製英語と真正英語
第2章 翻訳の基本
1.翻訳の手順/2.翻訳の種類/3.誤訳について/4.文法入門
第3章 理想的な翻訳
1.翻訳のあるべき姿/2.翻訳の今昔/3.超訳を反面教師として
第4章 掛詞
1.日英語のずれと一致/2.宗教的罵言と駄洒落/3.比喩/4.替え歌(parody)と逆説(paradox)
第5章 言語イディオム論
1.言語とはイディオムである/2.イディオム式英和翻訳/3.「イディオム訳」の可能性/4.これもイディオムだ――「時」と「時制」
第6章 学校英語と実際英語
1.英文和訳と英和翻訳/2.英語教育への提言/3.玄人と素人の違い/4.英英辞典の効用
附録 演習問題(解答つき)
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Nobu A