受験英語と日本人―入試問題と参考書からみる英語学習史

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受験英語と日本人―入試問題と参考書からみる英語学習史

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784327410766
  • NDC分類 375.893
  • Cコード C0082

出版社内容情報

「受験英語」といえば、負の面ばかりクローズアップされてきたが、その正の部分にも光をあて、英語の入試問題、参考書、受験生をキーワードに、日本人の英語学習の歴史の本当の姿を鋭く描き出し、その多様な遺産を検証する。

受験英語は日本人に何をもたらしたのか

「受験英語」といえば、今までその負の面ばかりクローズアップされてきたが、その正の部分にも光をあて、英語の入試問題、参考書、受験生をキーワードに、日本人の英語学習の歴史の本当の姿を鋭く描き出し、その多様な遺産を検証する。特に英語参考書に注目し、懐かしの「山貞」シリーズをはじめ、「赤尾の豆単」や森一郎の「でる単」(「しけ単」)、受験の神様・伊藤和夫の数々の参考書など、歴史的な価値の高い参考書の中身を検討し、豊富なエピソードとともに紹介する。貴重な図版を多数掲載。

第1章 受験英語の誕生(1873~1918)
 1. 英語入試のはじまり
 2. 受験用英語参考書のはじまり
 3. 予備校と通信教育の世界
 4. 受験英語の弊害と入試改革

第2章 英語受験参考書の進化(1900~1910年代)
 1. 英文解釈法の発明
 2. 英単語・英文法・英作文参考書の進化

第3章 受験英語の過熱と拡大(1919~1936)
 1. 受験地獄と受験生
 2. 受験英語雑誌と通信教育の発展
 3. 英語参考書の発展

第4章 戦時体制と受験英語の受難(1937~1945)
 1. 戦時体制下の入試
 2. 通信添削から受験情報産業へ
 3. 戦時体制下の英語参考書

第5章 戦後の受験英語(1946~2010)
 1. 戦後の入試風景
 2. 英語入試問題の変化
 3. 戦後の定番参考書

第6章 戦後のヴィンテージ英語参考書
 1. 英文解釈のヴィンテージ参考書
 2. 英作文のヴィンテージ参考書

エピローグ 受験英語はどこへ行く

【著者紹介】
江利川春雄 (えりかわ はるお)
1956年生まれ。和歌山大学教育学部教授。教育学博士。専攻は英語科教育学、英語教育政策史。神戸大学大学院教育学研究科修士課程修了。現在、神戸英語教育学会会長、日本英語教育史学会副会長、和歌山英語教育研究会会長。
著書に、『英語教育のポリティクス――競争から協同へ――』(三友社、2009)、『危機に立つ日本の英語教育』(共著、慶應義塾大学出版会、2009)、『日本人は英語をどう学んできたか――英語教育の社会文化史』(研究社、2008)、『近代日本の英語科教育史』(東信堂、2006 *日本英学史学会 豊田實賞受賞)、『英語教科書の歴史的研究』(共編著、辞游社、2004)など。

内容説明

「受験英語」を抜きに、英語教育の未来は語れない。英語の入試問題、参考書、受験生をキーワードに、初めて明らかになる日本人の「本音の」英語学習史。予備校や通信教育も視野に入れ、先人たちが開拓した日本人にふさわしい英語学習法の意義を考える。人物誌・図版多数。

目次

プロローグ 受験英語の巨星・伊藤和夫
第1章 受験英語の誕生(1873~1918)
第2章 英語受験参考書の進化(1900~1910年代)
第3章 受験英語の過熱と拡大(1919~1936)
第4章 戦時体制と受験英語の受難(1937~1945)
第5章 戦後の受験英語(1945~2010)
第6章 戦後のヴィンテージ英語参考書
エピローグ 受験英語はどこへ行く

著者等紹介

江利川春雄[エリカワハルオ]
和歌山大学教育学部教授。博士(教育学)。専攻は英語教育学、英語教育史。1956年、埼玉県に生まれる。大阪市立大学経済学部卒業(近代日本経済史専攻)、神戸大学大学院教育学研究科修了(英語教育専攻)。神戸YMCA大学予備校の専任講師として受験指導にも従事。現在、神戸英語教育学会会長、日本英語教育史学会副会長、中部地区英語教育学会運営委員など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

11
100年前の受験生もどんな英語学習をして受験していたのか、という問いにも答える本。第1次世界大戦までの英語教育と、今の「英語の授業は基本的に英語で」と同じ、「教師は外国人、授業も試験も外国語」(14頁)と指摘されている。つまり、指導要領は原点回帰なのだ。さらには、通信教育も100年以上前からやっているのは素晴らしい。田舎でも英語が学習できる機会を得られるので。戦時下は鬼畜米英であったので、英語は排除(163頁)。添削も貴重(170頁)。第5章は戦後~2010年迄。してみれば桐原書店はかなり儲けたのでは?2013/07/06

ヒンター

0
日本人の英語に対する努力が伺われる内容だった。2014/10/03

ELW

0
 かつての受験参考書が、文法事項を英語のまま記載していたのを、高等教育の大衆化の過程で止めてしまったのが惜しまれる。著者がところどころで 言及しておられる財界の英語教育への要望や影響というのを検証したものを 読みたい。それと、受験参考書出版業界の盛衰記もあれば面白いかもしれない。美誠社とか研究社とかが消滅する日がくるのでしょうか。高校のときに『新自修英文典』を読んでおいてよかった。2014/02/06

Shun Kozaki

0
入試改革とやらに動かされまくるのは、いつの時変わらんなあ。確かに、第二言語習得という見地からだと、文法体系を知らないと付いていかれない。そのくせ、四技能だのなんだのガラクタを求めるんだから世話無い。 文法というか、お作法知らないと何にも読めんよ。しかも、日本のシステムだと、一度落ちこぼれると這い上がれない。実力無関係に皆に斉一的に分詞構文やら無生物主語やら言われても……。授業ほりだしてでも、自分で自分に必要なところやったほうが早い。授業よりフォレストの例文と問題やりながら理解した方が何倍も早く進む。

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