出版社内容情報
認知語用論として近隣分野に影響を与えながら発展してきた関連性理論。本書はその基盤を強固なものとし、さらにその応用可能性に言及する。言語学のみならず、言語哲学、心理学、レトリック、コミュニケーション理論、などの分野にもおすすめ。
内容説明
Griceの「言われていること(what is said)」を批判的に再解釈し、発せられたことばだけでは話し手の意味を決定できないことを関連性理論の立場から説得的に論じる。発話とその元となる「思考の言語」との関係から、and接続文やメタ否定、さらにメタファーまでを射程に入れる。関連性理論を肯定的に検証し、新しい展開を試みる意欲的な書。
目次
第1章 語用論と言語的決定不十分性(言っていることと意味していること;決定不十分性のテーゼ ほか)
第2章 明示的側面と非明示的側面の区別(意味論・語用論の区別;Grice:言うことと推意すること ほか)
第3章 And連言文の語用論(Andの真理条件性の維持;連言文の関連性に根ざした語用論 ほか)
第4章 否定の語用論(データと区別;意味論的曖昧性分析 ほか)
第5章 オンライン概念構築の語用論(コード化される概念と伝達される概念;絞り込みと拡張との対称的説明 ほか)
著者等紹介
カーストン,ロビン[カーストン,ロビン][Carston,Robyn]
ロンドン大学(University College London)教授(言語学)
内田聖二[ウチダセイジ]
Diploma(Lancaster)。MA(神戸市外国語大学、Leeds)。現在、奈良女子大学教授
西山佑司[ニシヤマユウジ]
MA(慶應義塾大学)。Ph.D(MIT)。現在、慶應義塾大学名誉教授、明海大学教授
武内道子[タケウチミチコ]
MA(国際基督教大学、Indiana)。現在、神奈川大学教授
山崎英一[ヤマザキエイイチ]
MA(大阪大学)。博士課程単位取得退学(大阪大学)。現在、四天王寺大学教授
松井智子[マツイサトコ]
MA(University College London)。Hp.D.(University College London)。現在、京都大学霊長類研究所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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