出版社内容情報
琉球方言の文法・語彙・表現を、ヤマトゥ(大和)の古代語・現代語との比較を交えつつ分析し、言語に反映された人々の意識構造を探る。
方言に映し出された沖縄の心を探求する論集。
琉球方言の語彙や表現の分析を通じて、その背景にある人々の意識構造を探求する。助詞・代名詞の用法や挨拶ことばといった基本的な文法事項や表現から、オモロなどの古語にいたるまでを考察し、琉球方言では話し手とそれを取り巻く他者との親疎の関係(ウチ・ソト意識)が特に重要であることを論証する。またその過程で中央の古代語・現代語との比較を行なうことで、ウチナーグチ(沖縄口)とヤマトゥグチ(大和口)の間にある差異や共通性も併せて明らかにする。
1 琉球方言を通して見た沖縄文化
2 代名詞とウチ・ソト意識
3 助詞ガ、ヌとウチ・ソト意識
4 沖縄の挨拶ことば
5 ことばの故郷を歩く
6 可能表現
7 『おもろさうし』のことばに見る――「しなう」心
8 『おもろさうし』のことばに見る――「声をやり交わす・目を見交わす」意味
9 沖縄古語に見る――太陽信仰
10 助詞「の」の表現
【著者紹介】
内間直仁 (うちま ちょくじん)
1939年沖縄県本部町生まれ。名桜大学名誉教授・琉球大学名誉教授・千葉大学名誉教授。専門分野は日本語学、琉球方言を主とする方言学。主要著書に『琉球方言文法の研究』(笠間書院)、『沖縄言語と共同体』(社会評論社)、『琉球方言助詞と表現の研究』(武蔵野書院)、『沖縄語辞典――那覇方言を中心に』など。他に論文・共著書多数。
内容説明
助詞・代名詞の用法や挨拶ことばといった基本的な文法事項や表現から、オモロなどの古語にいたるまでを考察し、琉球方言の基底を支えているのが、流動的なウチ・ソト意識(話し手が他者に対してもつ意識の上での境界)であることを論証する。また考察の過程で琉球方言と本土方言中央語との間にある差異や共通性にも触れる。
目次
琉球方言を通してみた沖縄文化―沖縄文化を支えるウチ・ソト意識
代名詞とウチ・ソト意識
助詞ガ(が)、ヌ(の)とウチ・ソト意識
沖縄の挨拶ことば
ことばのふるさとを歩く
琉球方言における可能表現
『おもろさうし』のことばにみる(「しなう」心;「声をやり交わす・目を見交わす」意味)
沖縄古語にみる―太陽信仰
助詞「の」の表現
著者等紹介
内間直仁[ウチマチョクジン]
1939年沖縄県本部町生まれ。名桜大学名誉教授・琉球大学名誉教授・千葉大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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